あわや期待外れ助っ人の危機からベイスターズ日本一の立役者へ ジャクソンを覚醒させた二軍降格とバウアーの助言 (2ページ目)
「10月になる頃には慣れましたが、最初は違和感がありました。試合に出られなくてもベンチでチームを励まし、一緒に戦いたかった。ひとりでテレビ観戦するのは寂しかったですが、その一方で体への負担は軽くなるので、次第にありがたく思うようになりました」
また、ジャクソンは日本野球の独特の文化にも触れた。特に印象的だったのが、"胴上げ"だ。
「あれはすばらしいですね。日本の文化を味わうために太平洋を渡ってきたのだから、輪の外側から見るのではなく、三浦(大輔)監督の真下に行き、思いきり胴上げしました。本当に気持ちよかった」
そしてもうひとつ、印象的だったのが表彰だ。
「日本シリーズで優秀選手賞を受賞しました。桑原(将志)選手が最高殊勲選手賞を受賞し、筒香(嘉智)選手、(アンソニー・)ケイ選手、そして僕が優秀選手として表彰されました。メジャーにもMVPはありますが、選ばれるのはひとりだけです。優勝には多くの選手の活躍が必要なので、複数の選手を表彰するのはすばらしいことだと思いました。優秀選手賞に選んでもらって、とても光栄です」
しかし、予期せぬ受賞だったため、ジャクソンはトロフィーを母国へ持ち帰ることができなかった。
「せっかく受賞したのに、帰国する際に荷物に入れ忘れてしまい、そのまま横浜スタジアムのロッカーに置いてあります。キャンプが終わればまた見られますが、本当はアメリカの自宅に飾りたい。今年はしっかり持ち帰ります」
【バウアーからのアドバイス】
昨シーズンの開幕当初、ジャクソンは優秀選手どころか、期待外れの助っ人として見られる危機に直面していた。2017年にドジャースからドラフト指名を受け、2021年からドジャースとパイレーツで3年間プレーしたあと、2024年にDeNAと契約。しかし、開幕から6試合の先発登板で防御率6.11と低迷し、制球が安定せず1勝3敗と結果を残せなかった。そして、5月7日に二軍降格となる。
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