プロ野球2025「新助っ人ピッチャー」のアメリカ現地評 将来を期待されていた元プロスペクトも来日 (2ページ目)
【アメリカで最も評価が高かった選手は?】
一方、ジュニオル・マルテ(フィラデルフィア・フィリーズ→中日/30歳)とトレイ・ウィンゲンター(シカゴ・カブス→西武/30歳)、バウマンの3人は快速球を投げる。MLB公式データの『スタットキャスト』によると、2024年に記録したマルテのフォーシーム(77球)は平均球速156.3キロで最速159.2キロ、シンカー(170球)は平均球速154.8キロで最速158.9キロ。ウィンゲンターのフォーシーム(89球)は平均球速156.3キロで最速159.7キロ、バウマンのフォーシーム(432球)は平均球速155.3キロで最速158.7キロだった。
マルテは球速からイメージするほど三振が多くなく、メジャーリーグでもマイナーリーグでも通算の奪三振率は9.05を下回る。その一方で、与四球率はどちらも4.05以上だ。
ウィンゲンターの奪三振率は、メジャーリーグ通算95.1イニングで11.99、マイナーリーグ通算246.0イニングで11.56。速球と組み合わせるスライダーは、空振り率が高いというデータが出ている。
バウマンがリリーフ投手に転向したのは2023年から。この年はメジャーリーグで64試合に登板し、64.2イニングで防御率3.76を記録した。2017年のプロ入り以来、ボルチモア・オリオールズに在籍していたが、2024年は5チームを渡り歩いている。
現地アメリカで若手時代から注目されていた選手は、ジョン・デュプランティエ(ロサンゼルス・ドジャースのマイナー契約→阪神/30歳)、カイル・マラー(オークランド・アスレチックス→中日/27歳)、スペンサー・ハワード(クリーブランド・ガーディアンズ→楽天/28歳)の3人。いずれも元プロスペクト(若手有望株)だ。
なかでも、ハワードの評価は高かった。野球専門誌『ベースボール・アメリカ』は開幕前のプロスペクト・ランキングにおいて、2020年も2021年も全体27位にハワードを挙げた。ちなみに2024年に投手三冠&サイ・ヤング賞に輝いたタリック・スクーバル(デトロイト・タイガース)は、2020年が34位、2021年は20位だった。あくまでも数字のお遊びだが、それらの順位を平均するとハワードと同じ27位となる。
当時の『MLBパイプライン(MLB.com)』のスカウティングレポートでは、ハワードについて、決め球となるポテンシャルを持つ球種が4つあると評していた。速球、スライダー、カーブ、チェンジアップだ。
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