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オリックス6位・片山楽生は社会人からの入団も伸びしろだらけ スカウトも惚れ込んだ「人間性」を武器に覚醒の予感 (4ページ目)

  • 高木遊●文 text by Takagi Yu

NTT東日本時代の片山楽生 photo by Takagi YuNTT東日本時代の片山楽生 photo by Takagi Yuこの記事に関連する写真を見る そんな高卒4年目の22歳とは思えない人柄だからこそ、昨年は20代後半の投手もいるなかで投手リーダーを任された。

【スカウトが惚れた人間性】

 そして2024年は、自他ともに認める"考えすぎ"を吹っきって捉えるようにした。

「考えすぎは直せないんで、そのまま貫いちゃおうかなと。"考えすぎず"は変えずに、考え方が少しずつ変わってきたかなと思います。4年間いろんな道を通って遠回りしてきた分、整理しやすくはなりました」

 誤った方向に行っても歯止めが効かなくなるのではなく、修正が効くようになった。

 層の厚い投手陣のなかで登板機会が劇的に増えたわけではないが、夏場以降は調子が上向き、登板した試合は短いイニングながら無失点で抑えていくことが増えていく。

 こうした成長をもうひとり、熱心に見つめている者がいた。片山の担当であるオリックスの岡崎大輔スカウトだ。23歳で現役を引退してスカウトに転身。現在26歳と、片山とは4歳しか違わない同スカウトは、あらゆる面で片山の伸びしろを感じとった。

「3月に楽天と練習試合をした時は全然よくなかったのですが、夏前に見に行った時にメチャクチャよくなっていました。フォームの収まりがよくなっていて、来年以降もやれるんじゃないかと思いました」

 レベルの高い社会人野球の世界で苦労しているとはいえ、大学4年生と同じ年齢。このレベルの投手が東京六大学野球や東都大学野球にいたら、もっと目立っているはずだと思えた。そうして、ドラフト指名に至った。

 また、岡崎スカウトは「人間性に惚れました」と力を込める。

「22歳で投手リーダーを任されて、どんな練習メニューでも先頭に立って行ない、試合後のミーティングで自分から積極的に発言していました。また周囲も『楽生が言うなら』と野球に対する姿勢を認めているように見えました」

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