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【日本シリーズ2024】本拠地でまさかの3連敗 与田剛が指摘した「ソフトバンクの焦り」を感じた2つのシーン

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva

 日本シリーズ第5戦は、DeNAが3回に筒香嘉智のタイムリーで先制すると、4回には牧秀悟の3ランで着実に加点。投げても先発のアンドレ・ジャクソンが7回無失点の好投。DeNAは9回にも3点を挙げて試合を決めた。敵地で3連勝を飾ったDeNAは王手をかけた。一方、ソフトバンクは26イニング無得点と打線が沈黙。解説者の与田剛氏に勝負のポイントを語ってもらった。

本拠地で3連敗を喫し王手をかけられたソフトバンク・小久保裕紀監督(写真中央) photo by Sankei Visual本拠地で3連敗を喫し王手をかけられたソフトバンク・小久保裕紀監督(写真中央) photo by Sankei Visualこの記事に関連する写真を見る

【ソフトバンクの焦りを感じた2つのポイント】

── 第5戦はDeNAが7対0で勝利し、敵地で3連勝。一気に王手をかけました。この試合のポイントはどこにありましたか?

与田 DeNAの勢いがモロに出た試合になりましたが、ソフトバンクの攻撃で気になったことは2つありました。1つは、先制された直後の3回裏の攻撃です。先頭の周東佑京選手がヒットで出塁し、つづく打者は1番の笹川吉康選手。この場面、足のある周東選手が一塁にいて、いろんな作戦が考えられたと思うんです。そんななか笹川選手のバッティングを見ていると、どこか迷いながらスイングしているように感じました。

 おそらく周東選手には、「行けたら行ってもいいよ」という"グリーンライト"のサインが出ていたはずです。それで笹川選手は「走るかもしれない」と思いながらバッティングをしてしまっていたのかなと。笹川選手が起用されたのは、思いきりのいいバッティングを期待されたからだと思いますし、迷いなくスイングさせてあげる状況にしてあげたかった。

── この場面、送りバントという選択肢はなかったですか?

与田 もちろん、その選択肢もあったと思います。バントで送って、一死二塁で2番の柳田悠岐選手。柳田選手は初球から思いきりスイングできるタイプの打者です。結果的に、柳田選手の初球に周東選手が盗塁して一死二塁になりましたが、カウント0−0でこの状況を迎えていたらどうなっていたのかなと。

 笹川選手がバントを得意にしているかどうかはわからないですが、連敗して負けたら王手をかけられる試合、しかも1点先制された直後の攻撃でしたので、まずは得点圏にランナーを進めて、相手バッテリーにプレッシャーをかけてもよかったのかなという気はしました。

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