大手自動車メーカーの内定を蹴ってプロ入り 4年目の大躍進を遂げたヤクルト・丸山翔大は「あの時の決断について話すはまだ早い」 (4ページ目)
そして丸山は「自分でいいものをつかんだのって、8月の終わりくらいからなんです」と話した。手応えを感じた試合について聞くと、少し考えてから答えた。
「それこそ、甲子園で高梨(裕稔)さんが先発した9月15日の阪神戦ですかね。高梨さんのあとを受けて8回から投げたのですが、真っすぐ、スライダー、カーブでストライクが取れず、フォークだけは大丈夫だったんです。キャッチャーは(内山)壮真で『入らないもんは仕方ないですよね。腹くくってフォークで勝負しましょう』と。自分のなかでは真っすぐも投げたほうがいいかなと迷いはありましたが、『わかった』と」
結果は四球をひとつ出したが、「何とか粘ることができた」と無失点に抑えた。
「今年投げたなかで一番悪い日でしたが、そのなかでどうやってバッターと勝負するのか。悪くてもこういう抑え方ができる、こういう考え方もあるんだという発見があったというか......そういう試合になりました」
すばらしい数字で今シーズンを終えたが、満足度について尋ねると「全然ですね」と言った。
「シーズン前に立てた目標、開幕一軍をつかみ取って、シーズンを投げきり、55試合に登板する......この目標を何ひとつ達成できなかった。ただ後半に入って、試合前の体の準備もそうですが、考え方の準備も『これだな』というのがはっきりしてきたので、そこはいい結果につながりました。考え方の準備の内容については内緒です(笑)」
【大手メーカーの内定を蹴ってプロ入りした過去】
今年果たせなかった目標は来年へ持ち越しとなったが、そのためにも開幕一軍は大前提だ。
「そこからしっかりと、戦力として1年間一軍にいることですね。今年はホールドのつく場面で投げさせてもらうこともあったので、やっぱりそこで投げたいという思いはあります。まずは自分が任された場所でしっかり抑えていくことが第一歩だと思うので、体をもっと大きくしていきたいですね。今は1年目から16キロ増えて90キロになりましたが、まだまだ細いんで(笑)」
4 / 5