【ドラフト2024】清原ジュニアや注目の宗山塁の行方は? 東京六大学の有力候補6人 (3ページ目)
■山城航太郎 投手(法政大)
篠木らとともに評価を高めてきたのが、法政大のリリーフエースの山城航太郎だ。
山下舜平太(オリックス)らと過ごした福岡大大濠高時代はショートで、本格的に投手に転向したのは大学に入学後。そんな右腕は、3年秋に遅めのリーグ戦デビューを果たすと、最速154kmのストレートで存在感を示した。
「思い切りのよさや真っ直ぐで押せる部分が持ち味」と話す山城は、ドラフト前最後の試合となった慶應大との2回戦(10月20日)では、3―4とリードされた6回から2番手として登板。延長10回まで4安打無失点と好投してチームのサヨナラ勝ちを呼び込み、自身はリーグ戦の初勝利も記録した。
山城は「粘りの投球ができてよかった。初勝利が挙げられるとは思わなかったですが『チームのために』と思って投げていたら、もらえた勝利なのですごくうれしい」と笑顔で試合を振り返った。ドラフトまでの過ごし方については、「最上級生になりメンタルも強くなりました。ドキドキすると思うけど楽しみに待ちたいです。ひとりになるといろいろと考えてしまうので、なるべく友達と一緒に過ごせたら」とコメント。実践経験は少ないが、隠れた逸材は初勝利を追い風に夢の切符を掴むことができるだろうか。
■山縣秀 内野手(早稲田大)
春のリーグを制した早稲田大では、勝負強い打撃が持ち味の吉納翼(よしのう・つばさ)や、チームの主将にして4番を務める捕手の印出太一(いんで・たいち)らも注目されるが、軽快な守備に定評のあるショートの山縣秀(やまがた・しゅう)の周囲も騒がしい。
全国屈指の難関高校として知られる早大学院の出身で、スポーツ推薦が多くを占める野球部において、一時は理系への進学を考えていたという異色の存在。金森栄治コーチの「バットを小さく、強く、速く振る」というアドバイスにより打撃が開花し、春のリーグ戦では本塁打こそなかったものの、打率.366、4打点でベストナインを獲得。侍ジャパン大学代表にも選出された。
明治大との1回戦(10月19日)では、1点差に迫られた9回1死1、2塁のピンチの場面で、次打者のゴロで2塁ベースカバーに入った山縣は、投手の1塁ベースカバーが遅れたのを見て3塁に送球。飛び出していた相手ランナーがタッチアウトになり、チームの勝利を手繰り寄せた。
試合後、同じポジションの宗山よりも優れた点を問われると、「ピアノが弾ける」と謙遜気味に答えた。知性派の内野手は、早大学院卒としては1958年の森徹氏(中日など)以来となるプロ入りを目指す。
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