【ドラフト2024】篠塚和典が予想する巨人の補強ポイント「長打力のある野手」「ショート」「即戦力投手」 (3ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

【今の時代は、一軍でチャンスをもらえるのが早い】

――捕手の即戦力候補だと日本生命・石伊雄太選手(右投げ右打ち)、NTT東日本・野口泰司選手(右投げ右打ち)、早稲田大・印出太一(右投げ右打ち)。素材型であれば、高校生No.1捕手の健大高崎・箱山遥人選手(右投げ右打ち)が注目されています。

篠塚 大城がFA権を行使するのかどうか、という問題もあります。行使するのであれば即戦力の捕手。そうでなければポテンシャルがあって鍛えがいがある高校生捕手でもいいと思います。

――山﨑伊織投手、井上温大投手、大勢投手、船迫大雅投手、西舘勇陽投手、浅野選手、門脇選手ら、近年のドラフトで獲得した選手たちがそれぞれの役割を果たして優勝に貢献しました。今季の巨人のドラフトもどんな選手を指名するのか楽しみですね。

篠塚 何人か名前を挙げてきましたが、ほかにも候補はたくさんいますね(※記事最後のリストを参照)。巨人は二軍が桑田真澄監督ですが、慶應義塾大の清原正吾(内野手/右投げ右打ち)が指名されるかも注目です。

 今の時代は自分が現役だった頃と違い、ファームから上がってくるとすぐに使ってもらえますし、多くのチャンスを与えてもらえます。我々の時代はある程度レギュラーが固定されていたので、誰かが故障をしない限りは一軍には上がれない時代でした。

 そういう意味では早い段階から一軍のレベルを体感できますし、一軍で感じたものを課題としてファームで鍛え直すという、成長に向けたいいサイクルができます。巨人がどんな選手を指名するかはわかりませんが、入ってくる選手は与えられるチャンスをつかめるように頑張ってほしいです。

(記事で紹介しきれなかった注目のドラフト候補/投手編)

●日体大・寺西成騎(右投げ右打ち) 大型右腕、バランスのいいフォーム

●三菱重工West・鷲尾昂哉(右投げ左打ち) 長身右腕、落差のあるフォーク

●ヤマハ・沢山優介(左投げ左打ち) 大型左腕、角度のある直球

●報徳学園・今朝丸裕喜(右投げ右打ち) 大型右腕、優れた制球力

●桐朋高・森井翔太郎(右投げ左打ち) 153キロ45発の二刀流 ショート兼投手

●セガサミー・荘司宏太(左投げ左打ち) 多彩な変化球と力のある直球

●神戸弘陵・村上泰斗(右投げ右打ち) 最速153km、本格派右腕

●福岡大大濠・柴田獅子(右投げ左打ち) 二刀流のポテンシャルを秘めた長身右腕

(野手編)

●九州産業大・浦田俊輔(内野手/右投げ左打ち) スピードスター、走攻守がハイレベル

●上武大・荒巻悠(内野手/右投げ左打ち) 左のスラッガー、ユーティリティー性も魅力

●大阪商業大・渡部聖弥(外野手/右投げ右打ち) 走攻守三拍子揃った外野兼内野手

●豊川高 モイセエフ・ニキータ(外野手/左投げ左打ち) 通算打率5割超えの中堅手、丸佳浩の後継者候補

●早稲田大・吉納翼(外野手/右投げ左打ち) 勝負強い強打のスラッガー

●富士大・麦谷祐介(外野手/右投げ左打ち) 走攻守三拍子揃った万能外野手

【プロフィール】

篠塚和典(しのづか・かずのり)

1957年7月16日、東京都豊島区生まれ、千葉県銚子市育ち。1975年のドラフト1位で巨人に入団し、3番などさまざまな打順で活躍。1984年、87年に首位打者を獲得するなど、主力選手としてチームの6度のリーグ優勝、3度の日本一に貢献した。1994年に現役を引退して以降は、巨人で1995年~2003年、2006年~2010年と一軍打撃コーチ、一軍守備・走塁コーチ、総合コーチを歴任。2009年WBCでは打撃コーチとして、日本代表の2連覇に貢献した。

著者プロフィール

  • 浜田哲男

    浜田哲男 (はまだ・てつお)

    千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。

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