高木豊がセ・リーグのFAを考察 巨人の大城卓三、DeNAの佐野恵太らがもっと活きる球団はある? (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

――巨人の大城卓三選手はいかがですか? 今季は96試合(昨季は134試合)の出場にとどまり、打撃成績も低下してしまいました。

高木 大城がFA権を行使すれば、の話ですが、阪神などはいいと思います。可能性は低いような気がしますけど、仮に阪神の大山悠輔がFA権を行使してどこかへ移籍するとなれば、ファーストが空きますよね。佐藤輝明をファーストにしてもいいのですが、大城がいればキャッチャーをやらない時はファーストで起用できます。

 それと、梅野隆太郎と坂本誠志郎は今季ホームランを打っていません。キャッチャーがホームランを打っていないというのは、12球団で阪神が唯一なんです。そういった打撃の状況を考えると、よりいっそう大城の存在価値が高まるかなと。

 ソフトバンクでも面白いかもしれません。正捕手に甲斐拓也、今季51試合に出場した海野隆司もいますが、やはりキャッチャーの打撃面がウイークポイントなので。

【阪神の大山が欲しい球団、残ったほうがいい選手は?】

――大山選手の年俸は推定2億8000万円のAランクですが、やはり魅力がある?

高木 手を挙げた場合は複数の球団が動くと思います。たとえば西武。西武がFA権を行使した選手を獲りにいく例は少ないですが、打線に核がいない現状を考えれば、興味のある選手だと思います。大山はファースト、サードに加えて外野も守れますが、ファーストやサードのレギュラーを確立できていないチームは多いですから。

――阪神は糸原健斗選手や原口文仁選手もFA権を取得しています。

高木 糸原はほとんど守備についていませんからね。バッティングはしぶとさがありますが、長打力に欠けます。代打で長打がある、ホームランもあるとなれば、獲得を考える球団も出てくると思いますが、ほとんどが単打なので。代打で常に3割は打つというのであれば話はちょっと変わってきますが、そういうわけでもありません。なので、仮に糸原が手を挙げても、他球団は獲得に躊躇してしまうのではないでしょうか。

 一方で原口は、出場機会を強く求めるのであればFA権の行使を検討すると思いますが、年齢(32歳)がネックになるかもしれません。

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