「快投→急に炎上」が目立つのは山本由伸の影響? 星野伸之が理由と解決策を考察 (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

【急に炎上しないための策は?】

――ストライクゾーンにボールを集めるのではなく、散らしていくことも必要?

星野 僕らが現役の頃は「揃えすぎるな!」と言われたりしましたね。たとえば、バッターの目が慣れてくる3巡目は、ベンチとしても「継投をどうしようか」と考えるタイミングですし、心配するところなので。ましてやノーヒットノーランや完全試合を意識するような試合は通常とは違う緊張感があったり、余計な力が入ってしまいます。逆に1安打打たれているほうが気楽に投げられて、トータルで見ればいいピッチングだった、ということもあります。

――出塁を許さない状況だったのが、試合の終盤に初めてランナーを出してセットポジションになり、バランスを崩すこともある?

星野 確かに、そのタイミングでリズムやバランスが多少変わるので、打たれてしまうケースもあるかもしれません。ただ、普段からセットポジションでも投げているわけですし、ひとり目のバッターの時は違和感があるかもしれませんが、そこまでの影響はないと思います。ただ、先ほどもお話したように通常とは違う緊張感があるので、1本打たれた時に張り詰めていたものがフッとなって、バランスを崩すことにつながる、ということは言えるかもしれません。

――宮城投手は7月17日の西武戦で5失点したあと、次に先発した7月26日のソフトバンク戦では初回に4失点を喫してしまいました。

星野 1、2番を抑えたあと、栗原陵矢に内野安打を打たれて山川穂高に本塁打を打たれましたよね。宮城はかなり飛ばしていてガンガン投げ込んでいたのですが、山川がうまく打ったなという印象です。その次の8月2日のロッテ戦でも、2回に3失点している。本来は一気に何失点もするようなピッチャーではないのですが、西武戦で悪いイメージがついてしまったのかもしれません。

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