元プロ野球選手の父・許銘傑も認めたチャーハンが自慢 行列の町中華『東東』のジェンジェンに突撃インタビュー
SNSでバズり、各メディアもこぞって取り上げる今話題の町中華が、千葉県松戸市の『東東』だ。この店が行列の絶えない人気店にしたのは、インパクト抜群のデカ盛りメニューもさることながら、元気いっぱいに店を切り盛りする大学生の看板娘ふたりの存在がある。
ひとりは3代目店主の池田穂乃花さん。そして、もうひとりが穂乃花さんの幼馴染、"ジェンジェン"さんこと許維娟(シュウ・ウェイジェン)さんだ。
ジェンジェンさんの父親は2000年から14年間、プロ野球の西武とオリックスで投手として活躍した許銘傑さん(シュウ・ミンチェ/現・楽天モンキーズ投手コーチ)だという。
なぜ、台湾出身の元プロ野球選手のひとり娘が日本で町中華を? 『東東』を訪ねてジェンジェンさんにインタビューさせてもらった。
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【幼馴染と思い出の店を切り盛り】
6月のある平日。店舗を訪れると、ピークタイムをすぎた14時にもかかわらず、店前にはお客さんが列をなしている。なかを覗いてみると、ジェンジェンさんが戦場のような厨房でテキパキと鍋を振り、店を取り仕切っていた。
この日は店主の穂乃花さんが大学の授業ということもあって、ジェンジェンさんは大忙し。混雑は店が休憩に入る15時まで続いていた。
そして、ようやくひと段落したタイミングで「お待たせしてすみません!」と、激務の直後にもかかわらず、疲れを感じさせないさわやかな笑顔のジェンジェンさんがやってきた。
お客さんが絶えない昼営業中に鍋を振り続けるジェンジェンさんこの記事に関連する写真を見る
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ーーすごい人気店ですね。もともと料理は得意だったんですか?
ジェンジェンさん(以下同) いえ、まったく。高校の時はむしろお父さんにお弁当をつくってもらってました(笑)。
台湾帰省時に飲食店で父の許銘傑さんと一緒に 写真/ジェンジェンさん提供この記事に関連する写真を見る
ーーそうなんですか! そのお父さんの許銘傑さんは2000年に西武ライオンズに入団。ジェンジェンさんは2002年に日本で生まれましたが、現在、ご両親は台湾に帰国しています。ジェンジェンさんが『東東』で働くようになったきっかけは?
4年前、穂乃花も私も大学の推薦入学が決まっていたので、久しぶりに一緒に焼肉に行ったんです。そうしたら、(先代店主の)おじいちゃんが亡くなって、穂乃花がお店を継いだという話を聞いて驚きました。
私も小さい頃によく来ていたお店ですし、2021年から父は台湾でコーチをすることが決まっていて、私ひとりが日本に残る。だったら、穂乃花と一緒に暮らしながらお店を手伝わせてもらったら、いろいろと助かるかなって。
ーーふたりの思い出のお店だったんですね。
当時は、お互い西武の本拠地の埼玉・所沢に住んでいて、穂乃花と一緒にディズニーランドへ行く時に寄ったり、『東東』で飼ってた犬に会いに行ったり。ちょこちょこ来ていましたね。
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プロフィール
武松佑季 (たけまつ・ゆうき)
雑誌ライター。1985年、神奈川県秦野市生まれ。編集プロダクションを経てフリーランスに。インタビュー記事を中心に各メディアに寄稿。東京ヤクルトファン。サウナー見習い。