伊勢孝夫が岡田彰布監督の采配に喝 「もっと選手を信頼し、気持ちよく送り出してやるべきだ」 (2ページ目)

  • 木村公一●文 text by Kimura Koichi

 サトテル(佐藤輝明)については、打つんじゃないかと思っている。技術的な問題は見当たらないし、打てる雰囲気というか、そう感じさせるものがある。だが、肝心の心がね......モヤモヤしているんじゃないか。

 サトテルは入団して3年連続で本塁打20本打った実績がある。そんなバッターが、そう簡単に崩れるはずがない。とすれば、問題はメンタル面。要は、使われ方に不満を持っているのではないか。それが気持ちよく打席に入れない要因となり、集中力も欠如させてしまっている。彼の表情を見るたびに、そう感じてならない。

 二軍に落とし、代わりに別の選手を起用する。岡田監督の独特の刺激の与え方と言えるだろう。だが、それで奮起する選手もいれば、自信をなくす選手もいる。受け取り方は選手によって異なるだろうし、逆効果になることだってある。

 選手の起用法は難しい。去年のように乗っている時はいい。だが、調子を落とし、凡プレーをやらかした選手をバッサリやる岡田監督のやり方は波紋を起こす。それが"岡田流"と言えば、それまでなのだが......。

 いま、サトテルのプライドはズタズタだと思う。選手は腐ったらおしまいだ。逆にベンチからすれば、腐らしたらおしまいだ。あれだけボヤき、マスコミを使って選手を名指ししていたノムさん(野村克也)でさえも、チームの軸となるバッターはケガでもしない限り、二軍に落とすことはしなかった。プライドを重んじていたからだ。

【岡田監督がやるべきことは何か?】

 先日、岡田監督が森下翔太を直接指導したという記事があった。それを見て「岡田監督も相当イライラしているな」と思った。一日指導したからといって、すぐに治るわけがない。そんなことぐらい岡田監督もわかっているはずなのだが......。そもそも、森下は技術的に悪いところがあるのか。私が見る限り、そこまで悪い状態ではない。

 もちろん、森下はローボールヒッターだから、去年と違って高めを効果的に使われている。そのため森下もちょっとずつ崩されている......というより、崩されそうになりかけている。これは森下の欠点というより、"2年目のジンクス"だと思う。

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