山本昌が今季の中日をズバッと解説! 中田翔加入効果と戦力充実のリリーフ陣を分析! (2ページ目)

【「1・2番コンビ」で盗塁数を増やしてほしい】

 あともうひとり、ドラゴンズ躍進の原動力になっているのが、田中幹也選手です。昨季は開幕前に立浪和義監督から期待を寄せられてはいましたが、右肩の故障でプロ1年目を棒に振る形となりました。今季も体調や体力面でまだ不安があるので、たまに休みを挟んだりしていますが、それでもとくに守備と走塁で、チームにプラスの影響を与えてくれるので、日に日に存在感を増している選手です。

 バッティングにおいても、立浪監督が「ベンチがしてほしい動きを言わなくてもやってくれる」と絶賛していました。ここは初球は見送ってほしいとか、なんとか粘ってほしいとか、そういうベンチが思っていることを簡単にやってくれる。打率は高くないのですが、チームにとってはとても助かる選手です。

 そのなかでも、特筆すべきはやはり守備。ファインプレーが多く、際どい打球でもしっかり捕球できる守備範囲の広さがある。コンビを組むショートには打撃好調の村松開人選手がいますし、今季から加入した山本泰寛選手もポジショニングのうまさや守備の安定感がある。二遊間が徐々に固まりつつあるなと感じています。

 その村松選手に関しては、開幕当初はクリスチャン・ロドリゲス選手が育成から支配下登録後、すぐにレギュラーとして使われていたので、出場機会は少なかったのですが、しっかりと調子を維持し、首位打者を狙えるんじゃないかという勢いで頑張っていました。

 ただ、こういった俊足の選手がいるにも関わらず、チーム全体の盗塁数(22個・6月20日現在)が少ないのは気になるところです。(俊足の)岡林勇希選手が開幕から出遅れたことも要因のひとつではあるのですが、思った以上に走れてないなと。作戦面では手堅く送りバントをしたり、たまにヒットエンドランも仕掛けたりしていますが、そこまで積極的に動いている印象はないんです。

 岡林選手の調子が上がってくれば、出塁率も増えて盗塁機会も増えてくると思いますし、田中選手との1・2番コンビが機能すれば、より足を使った作戦が使えるようになってくる。それによって、もう少し相手ピッチャーやバッテリーを警戒させられれば、クリーンアップの負担も減ると思うので、しっかりと調子を上げてほしいです。

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