高木豊の助っ人診断 交流戦で初優勝した楽天らパ・リーグ球団で評価が高かったのは? (6ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

◆西武【野手×/投手△】

「野手の(ヘスス・)アギラーは調子が一時的によかった時期もありますが、結局はダメでしたね。アジャストしてきた部分もあるでしょうが、彼に軽打の右打ちは求めていません。チームとしてはホームランを打ってほしいですから、2本塁打では物足らないでしょう。(フランチー・)コルデロもハマればすごい当たりを打つのですが、なかなかボールに当たりませんし穴が多い。あれでは日本の一軍のピッチャー相手に打つのは厳しいです。

 先発のボー・タカハシは、球の力はあるのですが、球数が増えて疲れが出てくると打たれる傾向があります。あまり長いイニングを投げられるイメージがありません。チーム事情で先発なのかもしれませんが、昨季はリリーフでしたし、再度リリーフで試してもいいのかなと。

 中継ぎの(ジェフリー・)ヤンはスライダーがよくて奪三振率も高いですし、もっと活躍できると思います。今はチームがこういう状況ですが、勝ちパターンの展開や火消しの役目を任せても面白いかもしれません。

 守護神でも起用される(アルバート・)アブレイユは、自分の気持ちが乗っている時はいいのですが、そうでない時はピッチングに表われるんです。マウンドでイライラしている時はいい結果が出ていない気がします。球に力がありますし、もう少し三振を取れるかなと見ていましたが、日本のバッターはなかなか空振りしませんし、苦労していますね」

<評価対象となった助っ人の成績>

(New/野)アギラー 30試合 打率.204 2本塁打 10打点 出塁率.274 OPS.575

(New/野)コルデロ 20試合 打率.141 1本塁打 4打点 出塁率.164 OPS.383

(投)ボー・タカハシ 7試合 1勝5敗 防御率3.55 QS率14.3

(New/投)アブレイユ 25試合 1勝4敗 6ホールド11セーブ 防御率3.22

(New/投)ヤン 15試合 0勝0敗 0ホールド0セーブ 防御率5.25

【プロフィール】
高木豊(たかぎ・ゆたか)

1958年10月22日、山口県生まれ。1980年のドラフト3位で中央大学から横浜大洋ホエールズ(現・ 横浜DeNAベイスターズ)に入団。二塁手のスタメンを勝ち取り、加藤博一、屋鋪要とともに「スーパーカートリオ」として活躍。ベストナイン3回、盗塁王1回など、数々のタイトルを受賞した。通算打率.297、1716安打、321盗塁といった記録を残して1994年に現役を引退。2004年にはアテネ五輪に臨む日本代表の守備・走塁コーチ、DeNAのヘッドコーチを2012年から2年務めるなど指導者としても活躍。そのほか、野球解説やタレントなど幅広く活動し、2018年に開設したYouTubeチャンネルも人気を博している。

■元プロ野球選手のYouTuberのパイオニア

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プロフィール

  • 浜田哲男

    浜田哲男 (はまだ・てつお)

    千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。

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