根尾昂は先発か?リリーフか? 今中慎二が語る「一軍レベル」になるために必要なもの

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

 2022年のシーズン中に投手へ転向し、昨年は先発ピッチャーに挑戦した根尾昂。一軍での登板はシーズン終盤での2試合にとどまるも、12.2回を投げて防御率0.71(勝敗はつかず)と数字上では一定の成績を残した。

 今年は先発での登板数増加やプロ初勝利が期待されるが、そんな根尾を、かつての中日のエース・今中慎二はどう見ているのか。昨年のピッチングを振り返るとともに、新シーズンに向けた課題などを聞いた。

年明けに自主トレを行なう中日の根尾 photo by Sankei Visual年明けに自主トレを行なう中日の根尾 photo by Sankei Visualこの記事に関連する写真を見る

【まず、自分の立ち位置を理解すべき】

――昨年の根尾投手は9月18日の広島戦で先発し、6.2回を4失点(自責点0)。2回目の登板となった9月30日の巨人戦では6回1失点と好投しました。ファームの結果(23試合登板・先発9試合、0勝7敗、防御率3.43)も踏まえ、昨年のピッチングをどう見ていましたか?

今中慎二(以下:今中) なんとも言えません。「おっ!」というインパクトがあまりないんです。ファームではずっと打たれていて、フォアボールを出して......の繰り返しでした。シーズン終盤に一軍で投げましたが、状態がよくて一軍に上がったわけではないですから。

 勝った負けたは別の話で、ピッチングの内容でもうひと皮むけてくれればいいのですが......。厳しい言い方になりますが、昨年に一軍で投げた2試合の内容で満足しているようであれば、今の先発陣に根尾が入っていくのはまだ難しいと思います。

――先発ピッチャーへの挑戦1年目で、2試合だけとはいえ、最後に一軍で登板できたのは今年につながりそうでしょうか。

今中 う~ん......というより、今の根尾はショートイニング、リリーフとして起用したほうがいいんじゃないかと思うんです。

――それは、体力や球種などが理由ですか? 昨年は、5、6回くらいから少し球威がなくなる傾向も見られました。

今中 そういう部分もあるかもしれません。ただ、僕が思うのは、まずは本人が"自分の立ち位置"を理解しないとどうしようもないということです。

 ピッチャーに転向したばかりではありますが、とにかく一軍にいないとチャンスは掴めません。根尾が一軍の先発陣の枠に入れる確率と、リリーフ陣の枠に入れる確率を考えたら、リリーフのほうがいいんじゃないかという話です。

1 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る