侍ジャパン最初のターニングポイントはチェコ戦 先制を許す悪送球の中野拓夢を救った源田壮亮のひと言 (3ページ目)
「ハイ、寝てました(笑)。知らない番号だったんで、最初『誰や、こんな時間に電話かけてくるの』と思って、『もしもし』って出たら『栗山です』って......その瞬間、ビックリして一瞬で目が覚めて、ベッドの上に正座しました(笑)。まさか僕のところに(栗山監督から電話が)来るなんて、思ってもいませんでしたからね」
候補に挙がった選手に携帯の番号を伝えていなかった栗山監督にしてみれば、知らない番号からかかってきたのに、寝ぼけまなこで電話に出た中野の大らかさこそが頼りになると感じていた。
そして、栗山監督がチームの命綱でもある"守る形"をつくっておくために「絶対に必要だ」と考えていた源田を失った時、中野が見事にバックアップの役割を果たして、チームを救った。ここが、日本が世界一になるための、最初のターニングポイントだった。
著者プロフィール
石田雄太 (いしだゆうた)
1964年生まれ、愛知県出身。青山学院大卒業後、NHKに入局し、「サンデースポーツ」などのディレクターを努める。1992年にNHKを退職し独立。『Number』『web Sportiva』を中心とした執筆活動とともに、スポーツ番組の構成・演出も行なっている。『桑田真澄 ピッチャーズバイブル』(集英社)『イチローイズム』(集英社)『大谷翔平 野球翔年Ⅰ日本編 2013-2018』(文藝春秋)など著者多数。
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