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広島ドラフト1位・常廣羽也斗がプロでの成功のカギと語る「柔らかいボール」って何だ? (4ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro

【高校1年で勉強はあきらめた】

── 今回、一番聞きたかったことですが、常廣投手は「即戦力」と報じられています。自分自身ではどのように感じているのでしょうか?

常廣 そうですね......。そこに関しては何とも思っていないというか、わかんないというか。まずプロがどんなレベルかもわからないですし、自分がどんなレベルなのかもわからないので。プロ野球選手・常廣羽也斗としての今の課題もわかりません。何もわからないので、目標の立てようもないんです。

── その環境に入ってみないと、わかりませんものね。入団交渉後の記者会見で「勝つ!」という直筆ボードを掲げていましたけど、目標を書くのは難しかったですよね?

常廣 はい。勝たないといけないのはたしかなので、そう書きました。

── ある意味、誠実な態度と言えるかもしれません(笑)。そもそも、野球の試合をほとんど見ないと言っていましたよね。「野球は長いし、つまらない」と。

常廣 でもこの前、久しぶりに神宮球場に見にいったんですよ。たぶん小学生の時以来です。

── おぉ、どうでしたか?

常廣 全然試合を見ずに、中(コンコース)でご飯を食べていました。

── やっぱり、常廣投手にとって野球は見るものではなく、やるものですね(笑)。常廣投手が「野球で生きていこう」と決めたのはいつですか?

常廣 大学で野球をしようと思った時です。もうちょっと勉強がうまくいっていたら違っていたかもしれないですけど、勉強は途中で面白くなくなったので。

── 進学校の大分舞鶴高で「上には上がいる」と悟ったのでしょうか。

常廣 中学までは勉強が面白かったので、成績は上のほうでした。高1で勉強をあきらめてしまったというか、どうでもよくなったというか。

── 代わりにのめり込めるものがあってよかったです。今後、プロに進んで有名になっていけばいいことばかりではないと思います。周りから心ないことを言われたり、根も葉もない評判がひとり歩きしたりすることもあるかもしれません。

常廣 そこはもう、どうでもいいですね。見てくれる人は見てくれるので、自分のことを知ってくれている人にわかってもらえれば、どうでもいいです。

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