変わりゆく世界の野球事情 日本の独立リーグは「共存」と「生存」を実現できるか? (2ページ目)
来季よりメキシコリーグでプレーする元DeNAの大橋武尊 photo by Sankei Visualこの記事に関連する写真を見る そう話すのはBCリーグ・茨城アストロプラネッツのGMで、アメリカでトラベリングチームのアジアンブリーズを運営し、世界各国にパイプを持つ色川冬馬氏だ。同氏によると今オフ、野球界ではグローバルに新たな動きが起きているという。
そのひとつが、DeNAから自由契約となった大橋武尊のアグアスカリエンテス・レイルロードメン(メキシカンリーグ)への移籍だ。大橋が2021年育成ドラフト3位でDeNAから指名される前、茨城に在籍した縁から色川氏が仲介した。
メキシカンリーグはMLB、NPB、KBO(韓国プロ野球)に次いで世界4位の規模を誇る。2024年から外国人枠が7人から20人に拡大されることが、大橋の移籍の背景にある。メキシコ球界にも精通する色川氏が説明する。
「外国人枠が広がったことで、いろんなタイプの選手が獲れるようになったのだと思います。もともとメキシコの球団を所有するオーナーにはずば抜けた金持ちが多い。メキシカンリーグの価値を上げることは彼らのアイデンティティでもあります。外国人枠の拡大により、アメリカの独立リーグでプレーするトップ層が移籍していくことも考えられます」
【求められる独立リーグの生存戦略】
外国人選手の環境に変化が起きているのは、メキシカンリーグだけではない。色川氏は2023年シーズン中、韓国からやって来たKBO球団の国際編成の担当者に"予告"されたことがあるという。
「来年から、もしかしたら外国人選手のルールが変わるかもしれない。独立リーグの選手をこれから見に行くことがあると思うから、よろしくな」
実際、KBOでは2024年から「代替外国人選手制度」の導入が決まった。出場選手登録されている外国人選手が全治6週間以上の負傷をした場合、当該選手が復帰するまで代わりの新外国人を登録できるようになった。
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