ヤクルト奥川恭伸は来季、完全復活なるか 22球に込めた思いと手応え「やりたいと思っていることの70%くらいはできた」 (3ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya

 帰京後は二軍の戸田球場で調整。コンディショニングが上向いてきたことで、不参加が発表されていた松山キャンプに急遽、途中合流することになった。そして11月11日には四国アイランドリーグplusの愛媛マンダリンパイレーツとの練習試合で復帰登板を果たした。

 試合後、奥川は「緊張と不安しかなかったです」と苦笑いしたが、予定の3イニングを完全ピッチング。球数の少ない奥川らしいピッチングを披露し、投じた22球のうちボール球はわずか4球だった。フェニックスで課題としていたけん制を試す機会もなく、最速は154キロを記録した。

「いいバランスで投げられたので、出力もしっかり出せることができたのかなと。ちょっと球数が少なかったのですが、3回を全力で投げきることがテーマで、そのなかで変化球も投げられた。あそこまでできるとは思わなかったのでよかったです」

 この日の登板を振り返り、球速については「初回はちょっと力が入って、思ったより速く出ちゃったという感じだったので、その後は少し抑えた感じです」と説明した。

「時期もそうですし、そもそも実戦が少ないので、全力で投げた時にどれくらいのスピードが出て、どんな感じになるかとか、変化球もそうですけど投げないとわからない状態でしたので......。力を抜いてバランスよく、ボールの回転だったり、指のかかりだったりを意識して投げました」

 そして「ちょっと成長を感じられたので、うれしかったです」と笑顔を見せた。

「ずっと取り組んでいるフォームや、自分がやりたいと思っていたことの70%くらいはできました。やろうとしていたところよりもプラスにできたところもあったので、そこが一番よかったです。今日の実戦3イニングのなかで、フォームの部分ですけど、これくらいできるんだと知ることができた。こういうフォームにしたいというのが思ったとおりに進んでいるので、来年につながる登板になったと思います」

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