阪神劇的勝利の陰に「湯浅京己投入」の積極継投 緒方耕一氏はサトテルの状態も分析 (2ページ目)

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva

 また7回のオリックスの攻撃では、先頭の廣岡大志選手のサードゴロを佐藤輝明選手がエラー。そこからチャンスを広げたオリックスが2点を奪って、同点に追いつきました。

 このほかにバントミスなどもありましたが、短期決戦ではひとつのミスが流れを変えます。ただ、野球はミスが出るスポーツですので、それをチームとしてどうカバーしていくのか。

 たとえば7回裏の阪神の攻撃で、糸原健斗選手が内野安打で出塁し、つづく近本選手のセンターフライを中川圭太選手が落球。無死一、二塁の大ピンチとなりました。しかしここから、2番・中野選手の送りバントを小木田淳也投手が好フィールディングで三塁封殺。後続の打者も抑えて、0点で凌ぎました。

 一方の阪神も、7回表に失策から同点にされ、オリックスに流れが行きかけた8回表、勝ち越しのピンチを背負いますが、3人の投手をつぎ込む継投を見せて0点に抑えました。とくに二死からマウンドに上がった湯浅京己投手は139日ぶりの一軍登板。不安はあったと思いますが、1球で仕留めてオリックスに傾きかけた流れを食い止めました。岡田彰布監督は湯浅投手の状態を把握していたと思いますが、あの場面で投げさせたのはさすがでしたね。

【気になる途中交代の佐藤輝明】

 これで対戦成績は2勝2敗のタイとなりました。阪神にとっては、もし負けていたら一気に勝負を決められたかもしれない大事な一戦をサヨナラで勝利したことはものすごく大きい。

 そのなかで心配なのは佐藤選手です。第4戦も打つほうでは3三振、守っても失点につながるエラーを犯し、途中交代となりました。今日以降の出場がどうなるかわかりませんが、私は起用すべきだと思います。

 阪神打線のなかでは数少ない長打を打てる選手ですし、佐藤選手が打つとチームは勢いに乗ります。オリックスとしても長打力のあるバッターは怖いはずです。最終的に岡田監督がどのような判断を下すかですが、佐藤選手の奮起に期待したいですね。

 オリックスにとっては、たしかに痛い一敗にはなりましたが、打線も上向いてきましたし、投手力も安定しています。仮に第5戦に敗れたとしても、京セラに戻れますので今までどおりの試合をすればいいと思います。

 まだまだ先の読めない日本シリーズですが、第4戦のような手に汗握る試合になってくれればと思います。

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