阪神の完璧すぎる勝利を攝津正が解説 「サトテルの二盗→ノイジーの進塁打」「村上頌樹の引き出しの多さ」がリズムを狂わせた (2ページ目)

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 山本投手は、前回登板のロッテとのクライマックス・シリーズファイナルの時と比べると、調子はよかったと思います。コーナーに決まっていましたし、変化球のキレもよかった。実際、一回り目はタイミングが合っていなかったですし、空振りもとれていた。ただ阪神打線が山本投手の決め球であるフォークにうまく対応してきました。今までこういう対応の仕方はされたことがなかったんじゃないでしょうか。オリックスバッテリーからすればフォークがうまく使えなくなったことで選択肢が狭まったと思いますし、阪神打線のレベルの高さを思い知らされました。

【村上頌樹の引き出しの多さ】

 一方、阪神先発の村上投手ですが、完璧でしたね。タイミングが合ってきたかと思えば、遅いスライダーやチェンジアップで緩急をつけるなど、引き出しの多さを感じました。

 村上投手は球種が豊富で、どの球でもカウントがとれる。また、この日は初球のストライク率がものすごく高く、簡単に追い込んでいました。オリックス打線とすれば、どの球に的を絞ればいいのか最後まで決めきれなかった印象です。

 6月に交流戦で村上投手と対戦して、勝利しているオリックスですが、その時よりもいいボールが来ていたんでしょうね。全体的にタイミングが合っていませんでした。

 村上投手の好投もあり、敵地で、しかも絶対エースの山本投手を打ち崩して勝利した。阪神にとってはこのうえない勝ち方で大事な初戦をとりました。

 逆にオリックスは、ダメージの大きい負けになりました。ただここまで完敗すると、いい意味で開き直れるんじゃないかと思います。おそらく第2戦はオーダーをガラッと変えてくるでしょう。シーズン中も、嫌な負け方をした次の試合はメンバーを変えて対応してきました。そのあたりの切り替えが中嶋聡監督はうまいですので注目したいと思います。

 シリーズはまだ始まったばかりです。この先、流れが行ったり来たりすると思いますが、オリックスは絶対に2戦目をとってタイにしたい。阪神は連勝して一気に優位に立ちたい。そういう意味で2戦目は極めて重要な一戦になると思います。

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