阪神・関本賢太郎が2005年日本シリーズ完敗の要因を紐解く 痛感した短期決戦の怖さ (3ページ目)
結局のところ、記憶に残っているのはロッテの勢いがすごかったっていう印象だけなんですよ。誰がどう見ても完敗でしたし、「まったく楽しくない日本シリーズやったな」っていう感じです(苦笑)。手も足も出なかったというか、チームとして何もいいところを出せず、自分も活躍できませんでしたし。あっという間に終わってしまいましたからね。
――短期決戦でチームに勢いをつけるために必要なことは、どんなことだと思われますか?
関本 短期決戦でチームを勢いづけるのって、ベテランではなく若い選手なんだろうなと感じました。それも、ピッチャーではなくてバッター。ここまでにもたくさん話が出ましたが、当時ロッテの若手だった西岡剛や今江敏晃の大暴れっぷりに圧倒された部分はあったので。
あと、9イニングのトータルでどうのこうのじゃなくて、「出だしの3イニングで勝負するんだ」という意気込みの部分で、ロッテが上回っていたのかなと感じました。スロースタートではなく初めからフルスロットルで、「よーいどん!」の意識で入っていくことが、短期決戦で勝つためにはすごく大事なんだろうなと。自分はシリーズの全試合に出場したわけではありませんが、学んだ部分はそういうところでしょうね。
【プロフィール】
関本賢太郎(せきもと・けんたろう)
1978年8月26日生まれ、奈良県出身。天理高校3年時に夏の甲子園大会に出場。1996年のドラフト2位で阪神タイガースに指名され、4年目の2000年に1軍初出場。2004年には2番打者として定着し、打率.316の高打率を記録した。2007年には804連続守備機会無失策のセ・リーグ新記録を樹立。2010年以降は勝負強さを買われ代打の神様として勝負所で起用される。2015年限りで現役を引退後、解説者などで活躍している。通算1272試合に出場、807安打、48本塁打、312打点。
著者プロフィール
浜田哲男 (はまだ・てつお)
千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。
【写真】阪神vsロッテ「33-4」2005年の日本シリーズ フォトギャラリー
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