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村上宗隆、山田哲人の不調は「チームが成長するチャンス」 OB坂口智隆が最下位転落のヤクルトに「今はこういう時期」 (2ページ目)

  • 和田悟志●取材・文 text by Wada Satoshi
  • photo by Wada Satoshi

●主力の不調は成長のチャンス

ーー昨年三冠王の村上宗隆選手も苦戦しています。

 村上選手がずっと不調と言われていますけど、彼を抑えるために相手チームは研究していますし、相手投手は最高のプレーで対峙してくるわけですから。

 技術的なことに関しては、彼クラスになると、僕は何かを言える立場でもないです。でも、調子が悪い悪いと言われながらも、彼のホームラン数はリーグ3位タイ(6月26日時点)ですし、打点も上位につけているわけじゃないですか。そういう選手って、なかなかいないですよね。

 山田哲人選手にしても、ここ数年は調子を落としているかもしれませんが、ほぼ毎年コンスタントにホームランを20発以上打っています。相手チームは村上選手や山田選手を抑えることができれば勝つ確率が上がるわけですから、研究に研究を重ねてきます。

 調子は上がっていないなかでも、村上選手や山田選手がこれだけの数字を残していることをクローズアップしたほうがいいんじゃないのかなって僕は思います。

 不調の時期があるのは、本当にしょうがない。こんなことを言うと怒られるかもしれませんが、僕は人間味があっていいと思いますけどね。

 むしろ、彼らが不調の時こそ、チームとしては成長するチャンスですよね。主力の調子が悪くても、主力に頼らなくても勝てるんだっていうチームに成長する時だと思います。

村上宗隆は今季、苦戦を強いられている村上宗隆は今季、苦戦を強いられているーー逆に前半戦、よかったと思うところはありますか?

 ピッチャー、特に中継ぎ陣じゃないですか。ピッチャーが課題と言われていて、開幕9試合まで中継ぎ陣は防御率0.00だったわけですから。

 今は(防御率が)下がっちゃいましたが、シーズン序盤にチームが上位にいたのは、ピッチャーを含めたディフェンスのおかげだったと思います。

ーー特に中継ぎ陣で印象に残っている投手は?

 木澤(尚文)選手や大西(広樹)選手ですね。もちろん田口(麗斗)選手や清水(昇)選手の存在は大きいですけど、彼らが投げるまでの間をつないだり、勝っている場面でも負けている場面でも登場したり、連投をものともせず、気づいたらイニングをまたいでいることも多い。

 点を取られて負けた時ばかりクローズアップされてしまいますが、打たれることがあっても、こういう選手が1枚だけでなく、2枚もいるのはチームにとって大きいと思います。

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