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ヤクルト&楽天が低迷、大苦戦のわけ 飯田哲也が語る浮上のキーマン「村上宗隆はバットの出方が明らかに違う」 (2ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi
  • photo by Koike Yoshihiro

── 5月に12連敗を喫し、27日には自力Vが消滅しました。チーム浮上の条件は何だと思いますか。

飯田 打順とかスタメンを見ていても、「高津監督は苦労しているな......」と感じます。とくに1、2番を固定できていません。幸い、ヤクルトはホセ・オスナ、ドミンゴ・サンタナといった外国人打者が他球団に比べて安定した成績を残しています。また捕手の中村悠平はWBCで世界一を経験して、リードに自信を持っているように感じます。この3人が好調なうちに塩見と村上の復調が、チーム浮上の条件だと見ています。

【主力投手の高齢化と浅村栄斗頼みの打線】

── 昨シーズンの楽天は、"最大貯金18"から最終的に借金2。その悪い流れを今シーズンも断ちきれずにいます。

飯田 春季キャンプの時、石井一久監督は「若手が出てこない」と嘆いていました。その心配がシーズンに入っても解消できていません。昨年のチーム防御率はリーグ最下位。投手陣は高齢化し、今年39歳の岸孝之、35歳の田中将大、33歳の則本昂大が先発三本柱です。圧倒的な投手がいなくなってきました。そこに3年目の早川隆久と、ドラフト1位の荘司康誠がどこまで食い込めるかという構図でした。

 早川は5月終盤まで防御率トップを走っていましたが、投打がかみ合わず勝ち星に恵まれませんでした。それは荘司も同様です。抑えには松井裕樹という絶対的なクローザーがいるだけに、打線が援護していかに彼につなげられるかが、今後のテーマになると思います。

── 得点力不足と言われていますが、昨年の得点はリーグ2位でした。

飯田 浅村栄斗が打点を挙げた試合は勝っています。逆に言えば、「浅村が打点を挙げられない試合は勝てない」ということです。昨年最多安打のタイトルを獲得し、打点王に輝いたこともある島内宏明や、中日から移籍してきた阿部寿樹もあまり打てていません。

 さらにメジャー130発のマイケル・フランコが加わりましたが、額面どおりの活躍ができていません。フランコに限らずですが、近年は圧倒的な成績を残す外国人打者は見当たりません。それだけ日本の投手のレベルが上がったのかもしれません。

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