関本賢太郎から見た好調・阪神の岡田彰布監督の采配 優しい投手起用、「勝負勘」も冴える (3ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Sankei Visual

――関本さんは以前、岡田監督が就任した際の課題を挙げるとすれば、「岡田監督の言葉を選手が理解できるかどうか」と言われていました。現状はどう見ていますか?

関本 それを話した時と同様、今でもそんなに選手たちとコミュニケーションをとっているようには見えませんが、選手は起用のされ方で信頼されていることが伝わっているはず。「頼むで」と言葉をかけなくても、ずっと使ってくれたら「やらなきゃいけない」と思いますから。

――大山悠輔選手や佐藤輝明選手に関しても、不振な時期が長く続いても替えないと明言していますね。

関本 苦言を呈することはあっても、結局は信じて使い続けていますよね。梅野隆太郎選手があれだけ打てなくても、西勇輝投手をはじめ、日頃からバッテリーを組ませているピッチャーの時は替えませんし。それが、信頼だと思うんです。

 逆に選手とコミュニケーションを取りすぎると、情が入ったり采配に影響を及ぼしたりといったことが出てくるかもしれない。岡田監督の場合は、「グラウンドで結果を出せ」という考え方を徹底していると思います。

(中編:佐藤輝明の不調の原因、恐怖の「8番・木浪」、中野拓夢のセカンドコンバートなどを語った>>)

【プロフィール】
関本賢太郎(せきもと・けんたろう)

1978年8月26日生まれ、奈良県出身。天理高校3年時に夏の甲子園大会に出場。1996年のドラフト2位で阪神タイガースに指名され、4年目の2000年に1軍初出場。2004年には2番打者として定着し、打率.316の高打率を記録した。2007年には804連続守備機会無失策のセ・リーグ新記録を樹立。2010年以降は勝負強さを買われ代打の神様として勝負所で起用される。2015年限りで現役を引退後、解説者などで活躍している。通算1272試合に出場、807安打、48本塁打、312打点。

プロフィール

  • 浜田哲男

    浜田哲男 (はまだ・てつお)

    千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。

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