侍ジャパンの準々決勝勝利へのカギを元阪神エースの岩田稔が分析「捕手の使い分け」「下位から上位のつなぎ」「4番・村上宗隆の復調」 (3ページ目)

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Kyodo News

 準々決勝からは一発勝負のトーナメント戦に入っていくわけですが、大谷選手との勝負を避けられることが想定できます。ポイントは、大谷選手のあとを打つ村上宗隆選手がどれだけ復調するかでしょう。

 ピッチャー目線で見ると、打席で少し立ち遅れている感じがします。だから、全部が差されているように見えます。結果が出ていないので焦る気持ちはわかりますが、「打ちたい、打ちたい」と気持ちが入りすぎると、余計に空回りするものです。考えすぎず、もっとラクな気持ちで打席に入ってほしいですね。

 ここまでキャッチャーは、先発投手によって甲斐拓也選手と中村選手を使い分けてきました。それで4連勝できたということは、バッテリーの選び方は成功しているので、今後も同じやり方をするのがいいと思います。

 今後の戦いで変わってくるのは、球数制限です。1次ラウンドは65球でしたが、準々決勝は80球になります。先発投手はリミットまでの球数が少し伸びるので、普段とより近い感覚で投げられるでしょう。第2先発でマウンドに上がったピッチャーも、総じてこの4試合はいい投球内容で持ち味を発揮できたと思います。

 準々決勝で対戦するイタリアは、1次ラウンド最終戦をいい形で勝利して勢いに乗っているでしょうが、日本はそれ以上にチーム状態がいい。1次ラウンドのような戦いをできれば、自ずと準決勝に進めるはずです。

プロフィール

  • 中島大輔

    中島大輔 (なかじま・だいすけ)

    2005年から英国で4年間、当時セルティックの中村俊輔を密着取材。帰国後は主に野球を取材。新著に『山本由伸 常識を変える投球術』。『中南米野球はなぜ強いのか』で第28回ミズノスポーツライター賞の優秀賞。内海哲也『プライド 史上4人目、連続最多勝左腕のマウンド人生』では構成を担当。

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