大谷翔平 ヌートバー 吉田正尚のメジャー組もいよいよ参戦 選手の好不調も見えてきてWBC本番の起用法は? (2ページ目)

  • 木村公一●文 text by Kimura Koichi
  • photo by Sankei Visual

 現状を鑑みて、これは予想ではなくあくまで一例を挙げるとすると、こんな打線も考えられる。

1 吉田正尚(レフト)
2 牧秀悟(セカンド)
3 大谷翔平(DH)
4 村上宗隆(サード)
5 山川穂高(ファースト)
6 ヌートバー(ライト)
7 近藤健介(センター)
8 甲斐拓也(キャッチャー)
9 源田壮亮(ショート)

 吉田を上位で起用する案は以前から候補として挙がっていたが、鈴木の外れた打線にインパクトを与えるとしたら、吉田の1番は適任ではないだろうか。そして2番には、ミート力があって右打ちもできる牧。

 5番については、4日の中日戦で本塁打を放った岡本和真が好調を続けるなら、山川と入れ替えてもいい。

 現状、近藤の状態のよさ、出塁率の高さを考えると、上位で起用したいところだが、左打者が3人以上並ぶのを避けるためには、どうしても下位に置かざるを得ない。ただ考え方によっては、下位でチャンスをつくり上位で還すという形ができる。そうすることで打線に切れ目がなくなり、ビッグイニングのチャンスも広がる。

 鈴木が抜けたことで長打力は落ちるだろうが、そもそも国際大会は容易に得点できないという前提で臨むべきである。相手の情報も少なく、初見で攻略するのは容易ではない。そうなると長打に頼るのではなく、つなぎの打線、機動力が重要になってくる。

 もちろん、大谷を筆頭とするメジャー組が加われば、これまでの打線の印象が変わり、雰囲気そのものも違ってくるだろうが、一発に頼らずどこまで得点力を上げることができるのか。打線に関しては、そこが大きなカギを握るだろう。

【使える投手の判別】

 一方の投手陣だが、今大会の参加国のなかでも充実度はトップクラスだ。なかでも首脳陣がこだわったのが"三振"だ。メンバーの顔ぶれを見ると、「力勝負できる投手」「三振がとれる投手」に重きを置いていたのがわかる。それはストレートが速く、フォークを持ち球にしている投手が多く選ばれたことからもうかがえる。

 ダルビッシュ、大谷はもちろん、山本由伸、佐々木朗希らの先発陣、栗林良吏、湯浅京己、大勢らのリリーフ陣の多くはフォークの使い手だ。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る