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ヤクルトで長岡秀樹、内山壮真に続く期待の有望株。高卒2年目の小森航大郎は泥臭さとパンチ力で一軍を狙う (3ページ目)

  • 島村誠也●文・写真 text & photo by Shimamura Seiya

 なかでも野球選手としてのあり方についてたっぷり話をしてもらったという。

「たとえば、球場にはペットボトルのドリンクがあります。こうした恵まれた環境は当たり前のことじゃない。口をあけたら最後まで飲みきるんだよと。そういうことを一から教えてもらっています」

 11月の愛媛・松山秋季キャンプでは、高津臣吾監督をはじめとした一軍首脳陣と初めて練習。グラウンドでコーチ陣からアドバイスを受けるシーンが何度も見られた。

「こっちに来て気づいたのですが、監督さんやコーチの方は小さいことを見逃さないのだなと。土橋コーチもそうですけど、いろんなところを見ている......。なので、常に気を抜かないようにしています」

 キャンプ初日の約130球のロングティーでは、思いきり引っ張って5球連続スタンドインさせるなどパンチ力を見せた。小森はドラフト後、地元テレビ局の番組に出演した際、プロ入り後の目標として色紙に『ホームラン』と書いた。

「ホームランを狙うという考えは、思いきり振るということもそうですが、バットの芯でしっかりとらえるためでもあります。結果的にゴロになっても、強いスイングをしたことで相手プレーヤーが捕れない打球になればラッキーだと。そのためにバットを強く振ることもそうですが、インパクトでどれだけ100%の力を伝えられるか。まだまだできていないので、コーチの方々に教えていただいています」

 自身のパンチ力をアピールするのに格好のロングティーだったが、初日以降はスタンドへ叩き込む打球は減っていった。

「バテたからじゃないです(笑)。バックスクリーンを狙う意識に変えてやっていたんです。たしかに、スタンドへ飛ばせば楽しいですし、お客さんからも歓声があがって気持ちいいです。でも試合でホームランを打てないと意味がないですし、スタンドに入れようとブンブン振ると顔が先に向いてしまったり、体が開いてしまったり......ずっと改善できてないので常にメモをとりながらやっています」

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