ヤクルトで長岡秀樹、内山壮真に続く期待の有望株。高卒2年目の小森航大郎は泥臭さとパンチ力で一軍を狙う (2ページ目)

  • 島村誠也●文・写真 text & photo by Shimamura Seiya

 守備についても「めちゃくちゃ下手くそなんです」とレベルの違いを痛感。それでも「技術は自分で磨くしかないし、練習でどうにかなるものと思っています」と前向きに日々を過ごした。

「自分は精神的には強いと思うので、『おまえじゃできないよ』と言われたほうが、歯を食いしばってやれるんです。(元NBAの)コービー・ブライアント選手の『失敗を恐れているなら、おそらくキミは失敗するだろう』という言葉を思い出して、どうせ始めたんだから最後までやろう、負けてたまるかという気持ちでやっています。土橋コーチは『まだまだ全然だな』『なにバテてるんだよ』と毎回言ってくださるので、"ナニクソ魂"で頑張っています」

【首脳陣からの教え】

 プロの厳しさと向き合うなかで、昨年の6月4日、二軍のDeNA戦でようやくプロ野球選手として試合に出場(2打数1安打)。9月8日の楽天戦ではセンター頭上を越える三塁打を放ち、長打力への期待を膨らませた。

 一軍の試合は10月3日、神宮球場でのDeNA戦をスタンドから観戦。シーズン最終戦であり、戸田でお世話になった内川聖一、坂口智隆、嶋基宏の引退試合でもあった。

「内川さんにはグラウンドがなぜああいう形をしているのかを教えてもらい、自分が打てない時にいちばん近くに来て声をかけていただきました。引退試合では、みなさんが最後まで躍動されていた。若手の自分が今の環境に慣れてダラダラしたり、ダメなプレーヤーになってはいけないと思いました」

 日本シリーズは宮崎で開催していたフェニックスリーグに参加していたため、西都市の宿舎でテレビ観戦した。

「土橋コーチと一緒に試合を見ました。一軍の選手がなんとか食らいついて四球をとろうとしているのに、二軍ではブンブン振り回して簡単に三振しているけど、それでいいのかという言葉をもらいました。ほかにも、カバーの大切さだったり、試合を見ながら話をしていただいたので本当にいい時間を過ごさせてもらいました」

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