上田まりえ「降板を相談したこともあります」。YouTube『上原浩治の雑談魂』の人気の理由とアシスタントしての覚悟を語る (3ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • 小嶋裕●撮影 photo by Kojima Yutaka

――勉強はどんなことに取り組んでいるんですか?

上田 高校時代にスコアブックを書けるように勉強して、公認野球規則を読み込むなど、基本的なルールを理解することから始めました。自宅には野球関連の書籍・雑誌が500冊以上あります。「選手の気持ちを少しでも感じてみたい」と思い、大学時代にはバッティングセンターに週3回通って130kmの球を打つ練習をしたり、投球練習をしたりと、自分なりにできることをやってみました。

 また、大学院に通って修士号を取得しました(2019年に早稲田大学大学院のスポーツ科学研究科修士課程1年制を修了)。『ワースポ×MLB』のキャスターをするなかで、選手や解説者のみなさんから話を引き出すためには、何かしら自分なりのフィールドを持っていなければならないと強く感じたからです。この時の学びは、雑談魂の現場でも活きています。

――ゲストに話を聞くうえで意識していることは?

上田 視聴者のみなさんが聞きたいと思うことを想像して質問することを心がけています。その際、ゲストの経歴はもちろん、ひとつひとつのプレーに対するリスペクトを忘れてはいけないとも思っています。フライを捕るだけでもすごく難しいことなんですよね。昔、ある町内会の早朝ソフトボール大会に混ぜてもらったことがあるのですが、その時に初めてフライを捕ることができたんです。私の人生においてフライを捕球できたのはその1回だけなんですが、すごく感動して......。その感覚を忘れたくないんです。

 ごく一部のことですが、球場などで「なんで今のボールが捕れないんだ!」といった心ないヤジが飛ぶこともあります。もちろんプロとしてミスをしないことは大前提として求められると思いますが、簡単そうに見えるプレーでもかなり難しいことをしていることを忘れたくないですし、批判や批評は絶対にしたくありません。そういったリスペクトを常に持つことが、野球と真摯に向き合うことにつながると思っています。

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