ロッテOBの清水直行は、藤原恭大の打順に「違うんじゃないか」。一番の課題である打線、投打の軸として期待の選手も語った (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Sankei Visual

藤原恭大に適した打順は?

 5年目の安田尚憲は、今年プロ入り初となる100安打以上(102安打)を放ち、OPSもキャリアハイの.740。伸びは緩やかながらも、昨年よりは全般的にいい成績を残した。

「同学年の村上宗隆のように、首脳陣は将来的にホームラン30本、40本を期待しているかもしれませんが、これまでの過程や現状を見るかぎり難しいと思います。シーズン中に本人も話していましたけど、『自分はホームランバッターではなく中距離ヒッターだ』という考えのもと、コンタクト中心の打撃に意識が傾いています。選手をどう育成していくかの判断と、選手自身が考えてトライしている部分が、ちょっとかみ合っていないように見えます」

 リーグ連覇と日本一を達成したオリックスは、打つほうでは吉田正尚、投げるほうで山本由伸という投打の軸がしっかりと機能した。清水氏は、今後ロッテで軸になってもらわないといけない選手を挙げた。

「バッターであれば、そろそろ(藤原)恭大にやってもらわないと。これまでの4年間でプロの厳しさはある程度わかったと思います。いろいろな課題が明確になってきているでしょうから、壁をどう乗り越えていくか。あと、恭大の打順はカギになるかもしれませんね」

 これまでは脚力も期待されて1番や2番、そうでなければ下位で起用されてきた藤原。時に思い切りのいいスイングで、惚れ惚れするような弾丸ライナーの本塁打を見せることもあった。

「足は速いのですが、勇気がないのか盗塁はなかなか行けないんですよね。そもそも、塁に出られていない。ボール見ていくバッターではなく、そんなに出塁率も高くないですよね(出塁率.272)。恭大を上位打線で使いたくなる気持ちはわかるのですが、僕は『違うんじゃないかな』とずっと思っています。

 月間MVPを獲ったり、一時期活躍した2021年も出塁率は.301。これがキャリアにおいてのマックスなんです。そう考えると、4、5、6番ぐらいのほうがあれこれ考えずに思い切って打てるケースが多いですし、恭大にとってはいいんじゃないかと。

 僕が期待しているのは、同じ歳の大卒ルーキーが来年からプロの世界に入ってくることによる奮起です。このタイミングで『やらなあかん』と火がついて、飛躍するターニングポイントになる可能性はあると思いますよ」

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