「ヤクルトにとって痛恨だったのは中川圭太の四球」。オリックスが日本一を決めた第7戦の勝負の分かれ目を大友進が指摘 (2ページ目)
3ボール1ストライクとなり、高めのボール気味のカットボールをストライクにとってもらいます。それだけに絶対に仕留めなければいけない場面でしたが、ここで四球を出したのが痛かった。続く吉田選手に初球、押し出しの死球で1点を与えてしまいます。
そして直後、5番・杉本裕太郎選手のセンターフライを塩見泰隆選手が落球しました。私も現役時代にセンターを守っていて、普通では起こらないようなミスと言えますが、少し気になったのはレフトのパトリック・キブレハン選手が打球方向に向かって走ってきたことです。外野守備はセンター中心で動くので、センターが捕りにいく場合、レフトはその斜め後ろに入ります。ところがキブレハン選手が打球方向に走ってきたので、塩見選手はその姿が目に入り、落球につながったのかもしれません。
このプレーにも絡む"勝負の綾"となったのが、2番・レフトにキブレハン選手を起用したことです。今回の日本シリーズを振り返ると、ヤクルトはシリーズ序盤で大きかったのが、1番を打つ塩見選手の活躍です。
一方、そのあとを打つ2番に誰を置くかというところで固定できずに苦労していました。そこでヤクルトの高津臣吾監督は第7戦で2番・レフトにキブレハン選手をスタメン起用しましたが、6回に丸山和郁選手を代打で送ったように、結果としては思うようにいきませんでした。
自らのスタイルを貫いた杉本裕太郎
2年続けて同カードの対戦となった日本シリーズですが、両チームの力は本当に互角でした。ヤクルトの4番・村上選手とオリックスの4番・吉田選手に注目が集まったなか、バッテリーが内角を厳しく攻めて警戒し、村上選手は打率.192、吉田選手は打率.174に抑え込まれました。
そんななか、ポイントになったのが彼らのあとを打つオスナ選手と杉本選手でした。シリーズ序盤はオスナ選手が絶好調で、チームを勢いづけました。
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