吉井理人新監督のもと、ロッテが最優先すべきはセンターラインの確立。二遊間両獲りで常勝の足がかりを (2ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masaahiko
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 今季44盗塁でぶっちぎりの盗塁王に輝いた髙部と、走るスピードならまったく遜色ないのが林だ。送りバントなし、併殺の心配なしの攻撃的1、2番コンビとなり、この2人に相手バッテリーの心身は消耗し、肝心のクリーンアップへの集中力が欠け、ショートバウンドにはしたくない、変化球で走られたくないという心理が働き、 "配球"も変わってくるはずだ。

 ならば、この2人をどのようして獲るか。

 例年なら、2位、3位の指名でいけたかもしれないが、今年はやや"人材難"である。ここにきてソフトバンクがイヒネ・イツアの1位指名を公表したように、現状の実績よりも将来性を高く評価する球団が増えるかもしれない。

 両獲りが難しいことなど百も承知だが、それでも勝負に出るのか、ロッテの決断に注目したい。

3位以下で150キロ超えの投手を

 今シーズン後半、オリックス戦での1試合3本塁打の離れ業をやってのけた山口航輝が、今季4年目。やはり今季後半、井口監督が「4番・三塁手」で使い続けた安田尚憲が5年目。さらには、2年目の西川僚祐がイースタンで、持ち前の雄大な放物線を再三描いて、「和製大砲」による大型重量クリーンアップ実現の近未来も見え始めてきた。

 そうなると、「2025年」のために投手にもそれにふさわしい大器、逸材を今から仕込んでおかないといけない。

 3位以下となると、大学生では羽田野温生(東洋大/188センチ・95キロ/右投右打)、渡辺翔太(九州産業大/181センチ・83kg/右投右打)、仲地礼亜(沖縄大/178センチ・78キロ/右投右打)の3人。

 高校生なら、門別啓人(東海大札幌/182センチ・85キロ/左投左打)、田中晴也(日本文理/186センチ・92キロ/右投左打)、白濱快起(飯塚/192センチ・86キロ/右投右打)が候補に挙がる。

 いずれも150キロラインをあっさりクリアできて、それでいて「力任せ」じゃない。変化球を制御する技術も兼ね備えて、しかも高校生の3人はバッティングにも非凡なパワーがある。

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