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わずか2年で広島を戦力外となった鈴木寛人は、今も「イップス」と闘いながら再びマウンドを目指す (5ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Sankei Visual、Kikuchi Takahiro

── 今は投手としてどんな成功イメージを描いていますか?

 最後にそんな質問をぶつけると、鈴木はこう答えた。

「甲子園を決めた時の自分ですかね。調子自体は甲子園のほうがよかったですけど、結果がよかったのは茨城大会決勝なので。自分のなかで納得して、投げられた感じがありました」

 未来を想定しての質問だったが、鈴木から返ってきたのは過去の自分の姿だった。まだ、イップス発症以後の新たな自分に対して、ポジティブなイメージを描ける段階にはないということかもしれない。

 10月7日の誕生日を迎えても、まだ21歳。鈴木寛人は納得のいく1球を求めて、今日も修羅の道へと足を踏み入れる。

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