村上宗隆と清宮幸太郎との間になぜ決定的な差が生まれたのか。広岡達朗は「選手は入った球団によって野球人生が決まる」 (2ページ目)
プロ5年目にして初めてシーズン2ケタ本塁打を達成した清宮幸太郎この記事に関連する写真を見る 素質があるからこそ、広岡は高い次元で話す。村上はそれだけ価値がある打者ということだ。一方、清宮についてはこう苦言を呈する。
「日本ハムでスターになったからといってなんだっていうんだ。清宮は違う球団に入っていたら、もっと早く出ていたはず。オレが監督だったら、ルーキーイヤーから体をガチガチに絞らせた」
清宮の才能を認めているからこそ、現状の結果に黙っていられなかったのだろう。
その清宮は、開幕前にオープンスタンスからスクエアに変え、手首を動かしながらバットのヘッドを大きく揺らす動作も消え、自然体で構えるフォームになった。昨シーズンまでは、上体が前に突っ込むクセがあったため軸足が使えず、変化球に泳がされるシーンを何度も見たが、今年はボールを呼び込んで打てるため、ストレートに差し込まれることなく、変化球にもしっかり対応できるようになった。広岡が言うには、修正するのが遅すぎたというわけだ。
必ずしも厳しいことがすべてではないが、村上は日々の凄まじい練習に耐えて開花し、清宮は安穏と自由にやらせた。その結果が如実にこの差となって表れた。そして広岡は、チームの中心打者である以上、チームの成績も無関係ではないと語る。
「今の大谷翔平のように努力して個人成績を上げているのはたしかに評価するけど、弱いチームでいくら打ってもダメ。プロ野球という世界は優勝してこそ評価されるのだ。村上がいるヤクルトは、巨人が早々に脱落し、阪神がスタートダッシュでこけたおかげでもあるが、首位のチームでしっかり結果を出している。4番がしっかりしているチームはやっぱり強い」
だからこそ、巨人の4番を打つ岡本に物足りなさを感じてしまうのだ。
「巨人の岡本のように2割5分しか打てない4番はやめてもらいたい。やはり4番は、いくらホームランを量産しようとも3割前後の打率は必要だ。来た球に反動をつけて居合いのように振り抜くことができれば、もっと打てるはずだ」
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