2022.08.03

村上宗隆が5打席連続本塁打の日本記録。取材ノートから紐解く「村神様」の覚悟に指揮官は「只者じゃなかった」

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Sankei Visual

 ヤクルト・村上宗隆が8月2日の中日戦(神宮)で、5打席連続本塁打のプロ野球新記録を打ち立てた。7月31日の阪神戦(甲子園)で3打席連続本塁打、そして中日戦では柳裕也から1回裏にライトスタンドへ特大の38号を叩き込むと、3回には片手一本で左中間スタンドへ放り込み、球史にまたその名を刻んだ。

「僕はいつでも"できる"と信じてやっているので」

 神宮での2本のホームランを見た時に、村上がプロ2年目に語ったこの言葉が思い出された。村上の1年目、2年目に取材したノートを読み返すと、あらためて気持ちの部分の強さをうかがい知ることができるのだった。

8月2日の中日戦で5打席連続本塁打の日本記録を樹立したヤクルト村上宗隆8月2日の中日戦で5打席連続本塁打の日本記録を樹立したヤクルト村上宗隆 この記事に関連する写真を見る

1年目はファームで全試合4番

 村上に初めて話を聞くことができたのは、プロ1年目の二軍での春季キャンプ(宮崎・西都市)で、今と比較すれば体の線は細いが、それでも身長188センチ、体重97キロと高卒ルーキーとは思えない迫力があった。プロ初キャンプで実感していることについては、こんな話をしてくれた。

「木のバットへの対応が課題ですけど、それは振り込むことでよくなっていくと思います。守備はゼロからのスタートなのでやることが多いです。捕ること、送球、ランナーの追い込み......。しっかり学んでチームに生かせるようにしたい。まだ100のうち5くらいしかできていないと思います」

 神宮でのオープン戦で"顔見世的"な形で一軍デビューを果たすが、打席でボールを最後まで見る姿には風格が漂い、試合後のコメントも今と変わらず、堂々と落ち着き払ったものだった。

「一軍はすごいという感情しか湧きませんでした。ボール球を打ってもヒットにならないので、ストライクゾーンにきたら振ろうと。詰まりましたけど、ヒットになってよかった。自分にとって自信になりますし、しっかり強く振ることを意識してやってきて、技術もそうですが、相手がどんなピッチャーでも打ってやるという気持ちでやっています」