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交流戦でパのエースが苦戦。清水直行が称賛するセの強打者と、村上宗隆が「ちょっと抜けたな」と感じた瞬間 (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Kyodo News,Sankei Visual

――さらに翌週、佐々木投手は6月11日のDeNA戦で牧選手と対戦。2回に3球目の高めの甘いカーブを、ZOZOマリンスタジアム右翼のホームランラグーンまで運ばれました。8回を投げて失点はこのホームランによる1点でしたが、チームも1点しか取れず勝ち投手にはなれませんでした。

清水 佐々木はこの試合でスライダーを多投するなど、ノックアウトされた巨人戦の教訓からか、新しい投球スタイルで挑んでいましたね。とはいえ、そんなに対戦のない佐々木に対して、初見の変化球を逆方向に持っていけるのはすごい。そもそも速い真っ直ぐに対しても、引っ張りではなく逆方向に意識があることが、はっきりとわかる打撃でした。

 あれだけ体を溜めて打たれたら、投手からするとお手上げです。牧は前日のロッテ戦では、チャンスの場面で西野勇士のフォークボールを引っかけてサードゴロに終わるなど精彩を欠いていましたが、佐々木に対しては心構えが若干変わるのかもしれません。

――岡本選手も牧選手も、逆方向にホームランを打ちました。

清水 あれだけの強打者たちでも、ボールを引きつけ、「逆方向でいい」と割りきらないと対応が難しい投手なんだと思います。それだけ佐々木を認めているというか、手強いと見ているんでしょうね。

 岡本や牧をはじめ、セ・リーグの強打者たちが見せた逆方向を意識したバッティングを、今後はパ・リーグの各打者もやってくると思います。オリックスは完全試合をやられていますし、日本ハムは8回まで完全投球をやられた。やられっぱなしではないでしょうし、攻略したケースのデータを参考にするはずです。

 佐々木は真っ直ぐとフォークボールで押していくスタイルでいくのか、DeNA戦の時のように変化球を多投するスタイルでいくのか。次の登板に注目しています。

――オリックスの山本投手と相まみえた中日打線の粘りも印象的でした。山本投手は5月28日の中日戦で7回まで1失点と好投。しかし8回表に二死一二塁のピンチを迎えると、三ツ俣大樹に勝ち越しの適時打を打たれ、負け投手となりました。

清水 三ツ俣はフルカウントになってから3球連続でファウルで粘った。山本が決めにきた真っ直ぐもカーブにも必死で食らいつき、最後は高めに浮いたカーブを捉えて適時打となりました。今のパ・リーグには、こうやってなりふり構わずコツコツやるチームが少ないように思います。

 セ・リーグは、短くバットを持っている選手を6番あたりに置いているチームもありますね。佐々木にしろ山本にしろ、セ・リーグの各打者が見せていた粘りのあるバッティングに苦労している印象がありました。僕はセ・リーグでもやっているのでわかるのですが、本当に各打者が粘っこいというか、そういう攻撃をチームとしてやってくると感じていました。

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