交流戦でパッとしなかったパ・リーグ。高木豊が指摘する各チームの課題と「浮上しそうな球団」は? (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Sankei Visual

ソフトバンクはレギュラーの固定を

――打線では、浅村選手が打率.300、4本塁打、15打点と好成績を残しました。

高木 ただ、楽天はほとんどが左打者なので、浅村の負担が大きいですよね。打てる右打者は彼ひとりと言っても過言ではない。あとは西川遥輝。交流戦も打率.150と低調でしたし、彼が復調するかどうかがチームの浮沈に大きく関わってくると思います。

――ソフトバンクも9勝9敗と貯金ができませんでした。最後も本拠地のPayPayドームにヤクルトを迎えて3連敗と、後味の悪い終わり方でしたね。

高木 やはり柳田悠岐の状態が悪かったことが響きました。上向いていくかなと期待していましたが、今のままではホームラン、長打が出るような雰囲気もないですし心配です。(ジュリスベル・)グラシアルも、ヒットはたまに出るものの長打があまり打てていません。それでは、4番で起用されていた(アルフレド・)デスパイネに負担がかかってしまいますよね。

 ソフトバンクの不運なところは、栗原陵矢、上林誠知が立て続けにケガで長期離脱してしまったこと。あと、今宮健太も出たり出なかったりですし、ずっと1番で頑張っていた三森大貴も不振で外されることもあった。一方で調子がいい牧原大成を内外野のいろいろなポジションで使っていますが、ちょっと起用法はどうなのかなと思います。

 強いチームは、不動のレギュラーが多い。例えば交流戦1位のヤクルトは、センターが塩見泰隆、ファーストが(ホセ・)オスナ、セカンドが山田哲人、ショートが長岡秀樹、三塁が村上宗隆といったように、「このポジションにはこの選手」と決まっている。併用でいくならそれでもいいんですが、先発出場する選手や、選手のポジションがコロコロ変わるようだとチームが落ち着きません。それをどう固定していくかが今後の課題でしょうね。

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