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秋山幸二、石毛宏典らの移籍から始まったダイエー再建。石毛は選手会長だった藤本博史に「試合後のミーティング」を提案した (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Sankei Visual

――ミーティングでは、どんなことを話していましたか?

石毛 1回から9回までの試合の流れに基づき、試合の中で起こったあらゆるプレーについて話しました。よかった部分、悪かった部分も含めてさまざまな議論を交わしましたよ。ただ、ああだこうだと話していると、「あの時の采配はよくないよな」「あの守備体系はおかしいだろ」といった、ある意味で首脳陣批判につながるような話も出てきてしまうわけです。

 そうこうしているうちに、王監督や寺岡孝ヘッドコーチたちから「ミーティングでどんなことを話しているのか。その内容を報告してくれ」と言われて。内容を知らせたら、「受け止め方によっては首脳陣批判にもなりうる」ということになって、結局ミーティングをやっていたのは一時期だけで、中止にせざるをえなかったんです。

――効果も限定的だったのでしょうか。

石毛 いえ、ミーティングでいろいろなことを話し合ううちに、藤本をはじめとしたダイエーの選手たちの「本当に強くなりたい、優勝を目指したい」という気持ちをすごく感じることができたんです。ダイエーは、王監督の就任1年目から3年目までBクラス、4年目に3位、5年目にリーグ優勝を成し遂げましたが、それは秋山をはじめ、小久保裕紀(現ソフトバンク二軍監督)、松中信彦、城島健司らが「世界の王さんに恥をかかせるわけにはいかない」という気持ちになったからだと思います。

 各世代の選手のバランスや世代間の関係もうまくいっていました。秋山の背中を見て小久保が育ち、小久保の背中を松中が見て育ち、松中の背中を城島が見て育っていった。ベテラン、中堅、若手がひとつになって王監督を支えていったので優勝を手にすることができたと思います。

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