2022.04.29

ロッテ・松川虎生が挑む史上初の「高卒捕手・新人王」。獲得の条件は?

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi
  • photo by Koike Yoshihiro

 今シーズン、松川虎生(ロッテ)がプロ野球史上3人目の「高卒新人捕手の開幕スタメン」を果たし、さらに4月10日には佐々木朗希の完全試合を陰で演出した捕手として注目を集めている。その松川について、ちょっと気の早い話だが「新人王」を獲得できるのか、さまざまな角度から検証してみた。

高卒1年目ながら開幕スタメンを果たしたロッテ・松川虎生高卒1年目ながら開幕スタメンを果たしたロッテ・松川虎生 この記事に関連する写真を見る

捕手の新人王はわずか2人

 まず、捕手の新人王が過去に何人いるのか調べてみたら、1950年の2リーグ分立後の72年間で、1969年の田淵幸一(阪神)と1984年の藤田浩雅(阪急)の、わずか2人しかいない。田淵は大卒1年目、藤田は社会人2年目での獲得だった。

 新人王の資格は、支配下登録5年以内で、投手は通算30イニング、野手は通算60打席以内という規定がある。ちなみに藤田のプロ入り1年目は、6試合の出場で8打席だった。

 そもそも高卒投手1年目の新人王は多いが、高卒1年目の捕手はひとりもいない。高卒野手にまで範囲を広げても、ドラフト制度が確立(1965年)される以前は、1952年の中西太(西鉄)、1953年の豊田泰光(西鉄)、1955年の榎本喜八(毎日)、1959年の張本勲(東映)の4人で、それ以降は1986年の清原和博(西武)と1988年の立浪和義(中日)だけである。

 高卒1年目の野手にとって、「新人王」はいかに獲得するのが難しいタイトルであるかがわかる。

 ここで、上記に登場した選手の新人王を獲得した年度の成績を見てみたい。

中西太/111試合/108安打/打率.281/本塁打12本/65打点
豊田泰光/115試合/113安打/打率.281/本塁打27本/59打点
榎本喜八/139試合/146安打/打率.298/本塁打16本/67打点
張本勲/125試合/115安打/打率.275/本塁打13本/57打点
田淵幸一/117試合/81安打/打率.226/本塁打22本/56打点
藤田浩雅/98試合/83安打/打率.287/本塁打22本/69打点
清原和博/126試合/123安打/打率.304/本塁打31本/78打点
立浪和義/110試合/75安打/打率.223/本塁打4本/18打点

 そして野手の場合、バッティングはもちろんだが、守備での貢献度も大きく関わり、捕手となればなおさらだ。