なぜ佐々木朗希は「投げづらい」球場で完全試合をできたのか。19奪三振記録保持者の野田浩司が解説 (3ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi
  • photo by Kyodo News

── 佐々木投手はあの試合、最速164キロをマークするなど、ストレートは常時150キロ台後半でした。

「あれだけのストレートを投げていれば、風とか関係ないのかもしれないですね。それほど影響を受けている感じはしませんでした。とにかく、ストレートで押せたのが一番。お手本のようなピッチングでしたね」

── 今後、佐々木投手がさらに成長するために、あえてアドバイスをするとしたら?

「今回、完全試合を達成した要因は彼の能力。ストレート、フォークの勢いがすばらしい。先発ローテーション投手は、年間約25試合の登板のなかで、絶好調なのは5試合あるかないか。それをあの試合、最高の形にした。今後は経験値によるピッチングの"引き出し"も増えるでしょうし、スライダーやカーブといった緩い球も投げるようになるでしょう。まだ3年目、どれだけ伸びるのか楽しみでなりません」

 衝撃の完全試合から1週間、まだあの興奮は冷めていない。今の佐々木朗希なら、また大記録を達成するのではないか......。そんな期待さえ抱かせる、まさに圧巻のピッチングだった。

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