松川虎生は「会話をしながら」石川歩などを好リード。ロッテOBの清水直行は、さらに進化するための課題も指摘
清水直行が語るロッテ新人捕手・松川虎生(後編)
(前編:佐々木の完全試合を実現させた、松川の「観察眼」と「嗅覚」>>)
佐々木朗希とバッテリーを組み、完全試合達成に貢献した松川虎生。佐々木朗以外にも、今季の開幕投手を務めた石川歩が先発の試合をリードして勝利に導くなど、日に日に存在感と評価を高めている。
後編では、石川を好リードできている要因やその他の投手と組む上での今後の課題などを聞いた。
開幕戦で石川(右)をリードし、勝利に導いた松川この記事に関連する写真を見る***
4月15日時点で、松川は石川と3回バッテリーを組み、23イニング1失点(自責点0)と結果を出している。
「昔の石川の球を受けたことがないのが、いい方向に働いていると思います。石川はケガをする前、特にプロ入り1年目の2014年から3年連続で2桁勝利を挙げていた頃は、直球で押していくピッチングスタイルでした。でも、松川はその石川の球を受けていないので先入観なくリードができているんだと思います。
昨年、石川は右肘のクリーニング手術をして完全にモデルチェンジしました。年齢の影響もありますが、以前は150km出ていた直球も、今季は140km台中盤くらい。今はほとんどが動くボールですが、松川はそういった今の石川の特性をしっかりと把握していると感じます」
4月8日のオリックス戦で先発した石川は8回を投げて勝ち投手になったが、清水は同試合で奪った"空振りの少なさ"に注目する。
「その試合は111球投げて3奪三振、空振りも6個くらいでした。8回まで無失点に抑えながら、空振りが6個というのは少ないと僕は思います。比較するのも酷ですが、佐々木朗希はあれだけ空振りが取れる。しかし、今の石川は昔のように直球で押すことはできませんし、鋭く落ちるボールがあるわけでもないのでバットに当てられてしまうんです。
石川は器用なので、これまでも変幻自在のシンカーを投げてきましたが、右打者に対する外からのシンカーなど、今年は特にシンカーを中心にする傾向が強いですね。それも松川のリードによるものでしょう。石川に限らず、ピッチングは基本的に外角が中心になるんですが、松川もやはり外中心の配球をしています」
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