高木豊のパ・リーグ順位予想は王者オリックスがまさかの5位。連覇への懸念材料は「交流戦」と「達成感」 (4ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • Photo by Sankei Visual

【4位予想:ソフトバンク】

――昨年、8年ぶりにBクラスに沈んだソフトバンクは、今年も浮上が難しそうですか?

高木 投手陣はある程度計算できると思いますが、やはり得点力不足に悩まされそうです。グラシアルが残ったのは好材料ですが、例えば今宮健太がショートを全試合守れないとか、いろいろ配置転換をしながらやらなきゃいけないと思うんです。レギュラーは柳田悠岐、栗原陵矢、甲斐拓也くらいですし、そのほかでは三森大貴がセカンドで落ち着くかなというぐらいで、残りのポジションはけっこう空いてるんですよね。

――ソフトバンクはずっと「選手層が厚い」と言われていましたが......。

高木 ここにきて薄くなりつつあります。だから、藤本(博史)監督になったというのは、レギュラーの確立を求めているのかなと思っています。もちろん勝負にいくのは間違いないですが、"我慢の年"になる可能性もあるでしょうね。

【5位予想:オリックス】

――昨年リーグ優勝したオリックスは5位と予想しましたが、どこかに不安があるのでしょうか。

高木 オリックスは今のところ、若手を中心に使っていますよね。来田涼斗や池田陵真、昨年経験を積んだ紅林弘太郎も順調だし、将来性豊かな若手がいます。昨年も宮城大弥や紅林らを使いながら優勝しましたが、若手が活躍するとチームの雰囲気がよくなるんですよ。今年も若手を積極的に起用すると思いますが、逆にうまくいかなかった時のリスクもあります。

――オリックスのチーム力が高かったことはもちろん、昨年は、近年リーグ優勝をしていたソフトバンクや西武に故障者などが多く、シーズン序盤はなかなか戦力が揃いませんでした。

高木 そうですね。オリックスが優勝できた要因のひとつが、交流戦の貯金です。交流戦で優勝し、その貯金を食いつぶしながらでも最後は逃げ切りました。優勝への目標が明確になったことでモチベーションも高く維持できたと思いますが、パ・リーグの中での対戦成績はトントンでしたよね。それが懸念材料です。

 昨年の交流戦ではセ・リーグの各チームもほぼノーマークだったと思いますが、今年はオリックス戦にエース級を当ててくることも考えられます。昨年のように交流戦で多くの貯金をすることは難しくなるでしょう。

4 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る