藤本博史監督「当然、非情にならないといけない」。ホークスを知り尽くす男が世代交代とV奪回を目指す
ソフトバンク藤本博史監督インタビュー(前編)
昨季は8年ぶりのBクラスと低迷し、連続日本一が「4年」で途絶えた福岡ソフトバンクホークス。在任7年間で3度のリーグ優勝と5度の日本一に導いた工藤公康監督に代わって就任した藤本博史監督は、昨季まで二、三軍監督をはじめ一軍打撃コーチも歴任するなど「ホークスを知り尽くす男」との異名をもつ。藤本ホークスはどんな野球でV奪回を目指すのか。また、急務とされる世代交代をいかに進めていくのか、新指揮官を直撃した。
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世代交代が至上命令
── まずは一軍監督として初めて臨んだ春季キャンプはいかがでしたか?
「まぁ期待どおりですね。自主トレ期間中にコロナ陽性となって出遅れた選手もいましたが、キャンプ期間中には新外国人選手以外はほぼ全員揃うことができましたし、若い選手は世代交代が明確に示されるなかで『これはチャンスだ』と目の色を変えて練習に取り組んでいるのがすごく伝わってきました」
── おっしゃるように、キャンプ開始時は主力の柳田悠岐外野手や松田宣浩選手、期待のリチャード内野手も不在。出鼻をくじかれましたが、それでもまったく慌てる素振りを見せなかった藤本監督を見て、肝が据わっているというか、一国一城の主としての風格を感じました。
「逆に、若い選手にチャンスにできたととらえましたから。柳田や松田が最初から来なかったことで、何人かの若手が当初の予定を変更してA組に入れました。彼らはチャンスを得て、そのなかで活躍や好結果を見せてくれる選手もいました。逆に結果が出ない選手もいましたけどシュンとするのではなく、元気に明るくキャンプをやってくれました。だから期待どおりだったと感じています」
── そのなかで目立った若手は?
「2年目の井上(朋也/20年ドラフト1位)はすごく目立っていましたよ。ただ、世代交代といっても、若い選手だけでは勝てない。中堅、ベテランが噛み合って戦わないとペナントレースは厳しい。とはいえ、世代交代は進めないと。そのあたりのやり繰りをうまくしていきたいです」
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