2022.03.14

「名球会入り」投手の難しさ。ミスター完投、昭和・平成の怪物、炎のストッパーさえも達成できなかった

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi
  • photo by Koike Yoshihiro

「平成の怪物」と称された松坂大輔が、評論家としてキャンプ地を回った。楽天を訪問した際には田中将大を激励し、こうエールを送った。

「自分が見られなかった(200勝)の景色を見てもらいたい」

 これに対し田中は、「200勝という数字に近づいていければ......」と答えた。

日米通算200勝まであと19勝に迫っている楽天・田中将大日米通算200勝まであと19勝に迫っている楽天・田中将大 この記事に関連する写真を見る

シーズン20勝は至難の業

「名球会」とは、打者は通算2000安打、投手なら通算200勝、または通算250セーブを達成した選手が入会できる任意団体で、いわば"超一流選手"の証である。

 だが、打者はともかく、投手は、とくに入会基準のひとつである200勝をクリアするのは難しくなっている。

 理由は、中6日の先発ローテーションが確立し、先発投手は1週間に1試合しか投げなくなったからだ。シーズン143試合制なら、ケガなく1年を通して投げたとしても、先発で登板できるのは25試合程度。

 昨年パ・リーグ最多勝の山本由伸(オリックス)は26試合に先発して18勝、セ・リーグ最多勝の青柳晃洋(阪神)、九里亜蓮(広島)はともに25試合の登板で13勝だった。この登板数を考えると、不可能ではないが往年のエースのようにシーズン20勝は容易でない。

 現役の投手でいまもっとも200勝に近いのは、冒頭でも触れた日米通算181勝の田中だ。「去年4勝の投手が、残り19勝をいきなりというのはない」と田中は言う。しかし、昨年23試合に先発登板し、そのうち味方の援護が1点以下の試合が12もあった。

 さらに、先発投手が6イニング以上を自責点3以内に抑える「クオリティ・スタート」は、昨年のパ・リーグ1位は山本由伸の88.5%(26試合中23試合)、2位が上沢直之(日本ハム)の87.5%(24試合中21試合)、そして3位が田中で73.9%(23試合中17試合)だった。

 4勝しかマークできなかったものの、その内容は決して悲観するものではなく、打線がうまく噛み合えば2ケタ勝利は十分に期待できる。