ビッグベイビーからビッグチャイルドへ。ソフトバンク5年目のリチャードは覚醒するか
新生・藤本ホークスの2022年スローガンが「もっと!もっと!もっと!」に決まった。
1月14日に行なわれた発表会見に出席した藤本博史監督は「すごく勢いがあるいい言葉。選手たちに対しては、もっとガムシャラに、もっとハングリーに、もっとパワフルにという意味が込められています」と口も滑らかに説明し、かなりご満悦の様子だった。
では藤本監督自身のそれは、と問われると----「僕は『ふじもっと』ですね。いいですよね、ふじもっと!」と、右拳を突き上げてガッツポーズをしてみせて、会見場に集まった報道陣や球団関係者の爆笑を誘った。
質問を受けて即興で出た言葉だったという。「恥ずかしいやないか」と照れ笑いを浮かべたが、こんな一面があるから藤本監督は選手たちからも愛されるのだろう。
「もっと、もっと、ふじもっと!」
この聞き覚えのあるフレーズ。あるテレビCMが頭に浮かんできた。
「優勝してちょうだぁ〜い、もっと、もっと、ふじもっと♪」
記者同士の大喜利合戦が始まる。「もっと点取ってちょうだぁ〜い」と誰かが言えば、「ギータ打ってちょうだぁ〜い、のほうがいいでしょ」との声が飛ぶ。
いや、藤本監督が切に願うのは、柳田悠岐よりこちらの選手ではないか。
「リチャード打ってちょうだぁ〜い」
昨シーズン、34試合の出場で7本塁打を放ったソフトバンクのリチャードこの記事に関連する写真を見る
【ホークス世代交代の筆頭株】
一昨年まで4年連続日本一を果たした常勝軍団も、昨年は8年ぶりのBクラスに沈んだ。チームの立て直しへ、とくに求められているのが野手陣の若返りである。今年、松田宣浩が39歳を迎え、柳田悠岐が34歳、中村晃が33歳、今宮健太が31歳になる。長年にわたってホークスの中心選手として輝き続けている彼らだが、この世は儚くも盛者必衰である。
藤本監督は、昨年まで二、三軍監督を歴任してきた。何を求められているのかは明白で、藤本監督も就任会見の席で「二軍にイキのいい選手がたくさんいます。ベテラン、中堅、若手が競争し合ってもらえればいい。レギュラーは決まっていない。若い選手も十分チャンスだと思ってもらっていい」と、若手抜てきを示唆するコメントを残している。
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