解説者5人が占う2021日本シリーズ。展開やキーマン、何勝何敗で日本一はどっち? (2ページ目)

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • photo by Koike Yoshihiro

吉見一起氏

 ともにクライマックス・シリーズ(CS)を無敗で勝ち上がるなど、勢いのあるチーム同士の戦いなので、簡単には終わらないと思います。

 そのなかでポイントになるのは、いかに得点できるかだと思います。オリックスからすれば、常にリードした展開に持ちこんでヤクルトの強力リリーフ陣を出さない状況にしたい。逆にヤクルトは、第1戦の登板が予想される山本由伸投手をどう攻略するのか。そこが最大の焦点になるでしょうね。

 それぞれキーマンを挙げるとすれば、オリックスは杉本裕太郎選手、ヤクルトは山田哲人選手。今年、大ブレークした杉本選手ですが、じつは二軍にいた時に何度か見ています。パワーがあって、今はうまさも兼ね備えていますが、当時はそこに投げておけば大丈夫というゾーンがあった。個人的にはどこまで克服しているのが楽しみにしています。それにパ・リーグはパワー系の投手が多かったと思うのですが、セ・リーグはどちらかといえばかわしていくタイプが多い。攻め方の違いにどう対応するのかにも注目です。

 山田選手は、CSでは調子が上がらず苦労しましたが、それでもチームは勝ちきった。山田選手が復調すれば得点アップが見込めますし、チームの雰囲気も変わるはず。打線の中心は村上選手かもしれませんが、チームの中心は山田選手。チームに勢いをつけるためにも山田選手の活躍は必要不可欠です。

 投手力ならオリックスですが、打線の破壊力はヤクルトが一枚上。短期決戦は打てるチームが有利なような気がするので、今回の日本シリーズは4勝3敗でヤクルトが勝つと思います。

岩田稔氏

 短期決戦はどれだけ勢いをつけられるかが大事ですので、やはり第1戦の結果がシリーズの行方を左右しそうな気がします。

 オリックスは間違いなくエースの山本由伸投手が先発してくるでしょうから、そこで確実に1勝したいところ。ヤクルトは山本投手に勝って、一気に流れを持っていきたいでしょうね。

 個人的には、山本投手に対してヤクルトの1番打者・塩見泰隆選手がどんなバッティングをするのかに注目しています。巨人とのCSファイナルでも積極的なバッティングが光りましたが、それが日本シリーズでもできるのかどうかでしょうね。

 山本投手はボールに力があって、コントロールもいいので、どんどんストライクゾーンに投げ込んでくると思います。それを見るのではなく、積極的に振っていくことが大事になります。投手というのは、いくら調子がいいと思っても先頭バッターとの対戦は緊張しますし、どうしても慎重になってしまう。そこで出鼻をくじかれてしまうと、自分のピッチングを取り戻すのに時間がかかる。ヤクルトとしては、初回に得点できるかがカギになりそうです。

 冒頭でも言いましたが、今回のシリーズは初戦をとったチームが日本一になると思っています。山本投手を攻略するのは容易ではないのですが、ヤクルト打線の怖さも知っているので......ほんとに難しいですが、4勝3敗でヤクルトにします。

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