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山本由伸の女房役・若月健矢が語る何よりもすごいと思うのは「イニング間、ベンチ裏で...」

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • photo by Koike Yoshihiro

 昭和の終わり頃、街に流れていた『ガラスの十代』が京セラドームに響き渡った。光GENJIの若々しい声を背に、若月健矢がバッターボックスへ向かう。26歳の若月がいったいなぜ、30年以上も前に流行った歌謡曲を登場曲に選んでいるのだろう。

「なぜなんですかね(笑)。中学校の時、みんなでカラオケに行くじゃないですか。そのとき、周りにそういう歌を唄っている友だちが多かったんです。今まで中島みゆきさんの『ファイト!』とか、尾崎豊さんの『シェリー』とか、そういう昭和の歌謡曲を使ってきたので、もう変えられない雰囲気にもなってしまっているような気もします(笑)。

 もちろんイマドキの歌も聴きますよ。韓国のBLACKPINKも好きですし、幅広くいろんな曲を聴くんですけど、ただ、登場曲というのはこのコロナ禍で手拍子をもらえる曲のほうがいいのかな、という気持ちはありますね」

今シーズン、山本由伸とバッテリーを組んだ試合は無敗だったオリックス・若月健矢今シーズン、山本由伸とバッテリーを組んだ試合は無敗だったオリックス・若月健矢この記事に関連する写真を見る 今シーズン、リーグ優勝を果たしたバファローズに正捕手はいなかった。

 スターティングラインアップにその名を連ねたキャッチャーは3人。今年31歳になった伏見寅威が74試合、25歳になった頓宮裕真が26試合、そして若月が43試合──。

 ただしこれを月別に見ると、印象が少し変わってくる。

3・4月 伏見(11)/若月(2)/頓宮(17)
5月 伏見(12)/若月(3)/頓宮(8)
6月 伏見(14)/若月(9)/頓宮(0)
7月 伏見(5)/若月(6)/頓宮(0)
8月 伏見(8)/若月(5)/頓宮(0)
9月 伏見(13)/若月(11)/頓宮(1)
10月 伏見(11)/若月(7)/頓宮(0)
※( )は先発試合数

 開幕の時点では、プロ3年目の頓宮が期待込みもあって起用され、長打力を武器に存在感を発揮した。昨年の前半あたりまで出場機会が多くなかった伏見は、中嶋聡が昨年の8月に代行監督に就任するとともに試合に出る機会が増えた。今シーズンも万遍なく、スタメンで起用されている。そして、昨年までレギュラーだった若月は、シーズンが進むにつれてスタメンの起用が増えていった。難しかった起用法について、若月はこう話す。

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