FA戦線カウントダウン。年俸の割に活躍しそうな「コスパのいい選手」は誰? (3ページ目)

  • 津金壱郎●文 text by Tsugane Ichiro
  • photo by Jiji Photo

 リリーバーでは、実績と知名度なら山﨑康晃の右に出る者はいない。だが、FA宣言したとしても、ここ2シーズンの成績や高額な年俸、FA移籍Aランクの補償などを天秤にかけて、獲得に二の足を踏む球団は少なくないだろう。

 その中継ぎ投手で"コスパ的"に狙い目なのが、今季推定年俸7000万円でBランクの中日・祖父江大輔だ。マウンド上での鋭い形相と、2020年オフの契約更改を保留した際にはダルビッシュ有からその働きぶりをSNSで援護されたことでも話題になった鉄腕リリーバーだ。

 1年目の2014年から毎年30試合以上に登板し、昨季は54試合に投げて最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得した。その蓄積疲労もあってか今季序盤は本来の姿ではなかったものの、後半戦からは持ち前のスライダーとシュートの出し入れで打者を翻弄。終わってみれば55試合に登板して1勝2敗5セーブ19ホールドで防御率2.59。来年8月で35歳だが、来季もまだ"睨み"は通用するはずだ。

 ただ、ここまで挙げたFAランクでA、Bの選手を獲得するには、前所属球団が望めば金銭補償に加えてプロテクト外選手1名を人的補償に出さねばならない。プロテクトリストから泣く泣く除外した選手が他球団で大活躍というケースも少なくないだけに、獲得には難しい判断が求められる。

 しかし、人的補償も金銭補償も不要なのが、CランクのFA選手。NPBでの実績もあるので、新外国人選手のような大ハズレもないし、資金的にも比較的ハードルは低い。そのCランクに該当し、今季FA権を取得したのは次のような選手たちだ。

【Cランク/所属球団の日本人選手で年俸上位11位以下】
又吉克樹(中日/投手/31歳/4200万円)
田島慎二(中日/投手/31歳/1500万円)
比嘉幹貴(オリックス/投手/38歳/2100万円)
海田智行(オリックス/投手/34歳/2200万円)
辛島航(楽天/投手/31歳/5100万円)
岡田雅利(西武/捕手/32歳/3000万円)

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