高木豊がオリックス中嶋聡監督の洞察力と采配力を称賛。CSでは「ロッテは早々に苦しくなる」 (3ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Sankei Visual

 戦況を読み、相手のわずかな隙を突く。捕手出身ならではの巧みな采配も随所に見られた。

 10月9日のソフトバンク戦では、2アウト一、三塁の場面でダブルスチールを敢行。一塁走者が安達了一、三塁走者が足の速くないスティーブン・モヤということもあってか、甲斐拓也は二塁に送球。その隙をついてモヤが本塁に生還した。モヤの足が速くないということを逆手にとった作戦は見事に成功。試合の主導権を握る上で効果的な加点だった。

 今季最終戦となった10月25日の楽天戦では、2-0とリードして迎えた9回表1アウト二、三塁の場面で、楽天の内野陣の意表を突くスクイズ。三塁走者だけでなく二塁走者も生還した。

「ダブルスチールは相手の心理を読んでいて、捕手出身の監督ならではですね。楽天戦の2ランスクイズは、勝負所での思い切った作戦が功を奏しました。いろいろな攻撃をされると相手側にもデータが残るので、非常にやりにくさが残りますし、以降の戦いでも神経を使わせることができます」

 オリックスは11月10日から始まるクライマックスシリーズ・ファイナルステージでロッテと相まみえるが、高木は絶対的なエース・山本を擁するオリックスが有利と見ている。

「ロッテにはファーストステージを勝ち上がった勢いがあるでしょうが、(1戦目の先発が予想される)山本を打つのは簡単ではないです。山本が普段通りの調子なら、オリックスは1戦目が取れる計算できますし、ロッテは早々に苦しくなります(アドバンテージの1勝も加えて実質2勝)。

 宮城には少し隙があるものの、十分にエース級の投球ができる。また、ロッテに相性がいい田嶋(大樹)も実力はあります。シーズン序盤は援護点に恵まれなかったりもして負けが先行していましたが、終盤は勝ち星を拾って五分(8勝8敗)まで持ち直しましたからね。2桁勝っていてもいい内容の投球を見せていました」

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る