今シーズンいまだ一軍登板なし。斎藤佑樹「もうこんな時期......焦りはある」 (3ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • photo by Ichikawa Mitsuharu(Hikaru Studio)

---- そうすると、具体的にはどういうピッチングになるんでしょう。

「3年くらい前にいい感じで押せていたときのフォーシームは、初見のバッターが手を出してくれるとファウルになることが多かったんです。そうなってくれればバッターはポイントを前に出してくれるので、そこへフォーク、ツーシーム、チェンジアップを投げればゴロやフライを打たせられる感覚を持てていました。でもフォーシームで押せないと、初球から変化球を投げざるを得ません。

 実際、データを見てもツーシームとシンカーのパーセンテージが多すぎるんです。つまり、その球が僕のスタンダードだと思われたら、最初からそのスピードに合わせられてしまいます。だからツーシームとシンカーを生かすために、その球種よりも少し速い球と少し遅い球を投げなければならない。遅い球はフォークやスライダー、チェンジアップがありますから、あとはフォーシームをもっと増やさないといけないなと思っています。そのためにはあと5キロのスピードアップが必要なんです」

---- とはいえ、33歳になって年齢とともにできなくなることも増えてきているんじゃないかと思いますが、そういう変化を自分のなかに感じていますか。

「年齢イコール野球歴と考えるなら、確実に身体の痛みとか、たくさん投げてきたことによる弊害はあると思います。でも走ったり、トレーニングをしていて衰えを感じたことはないんですよね」

---- ファイターズには年上のピッチャーが3人(金子弐大、宮西尚生、村田透)いますけど、それでも若い選手が増えてきて、チームのなかでの立ち位置が変わったなと思うことはありますか。

「いや、思いません」

---- 会話をしていて、カルチャーギャップを感じたりすることってないんですか。

「そうですね......ないですね。僕、いろんなところにアンテナを張るタイプなんで、どんな相手とでもそれなりの会話はできちゃうんだと思います。もともと空気を読むことに関してはそんなに苦手なほうじゃないと思っているんで(笑)、ギャップを感じることは今のところ、ないですね」

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